ラグビーリパブリック

ジャパンが石鹸ボールを使ったわけ ウェザーニューズが気象情報でサポート

2015.10.30
(Photo: Getty Images)

 今秋のラグビーワールドカップイングランド大会で3勝を挙げた男子15人制の日本代表。開幕前には、石鹸水をつけたボールで練習をしていると報じられた。よく雨が降る開催地の特徴を踏まえ、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチが手を打った。

 その策には、背景があった。

 気象予報会社の株式会社ウェザーニューズが、ジャパンの中島正太・分析担当を通じてリポートを提出。各合宿地の中長期的な天気予報や試合当日の各会場の気候についての情報を、大会前から伝えていた。

 ウェザーニューズ側の担当者は、スポーツ気象チームの浅田佳津雄氏だ。関東大学対抗戦B・成城大のOBで、現在は同大のゼネラルマネージャーとしても活動する元ラグビーマンである。資金が十分でないクラブ向けのクラウドファンディングシステムを考えて他大学にも提案するなど、自チームの強化に止まらぬ視線を持ち合わせていた。

「グラウンド内はお互いに真剣勝負。ただ、グラウンド外のことはある程度共有してもいいのでは、と。いま、対抗戦BからAに昇格したチームは1年で降格するケースも多い。BとAに差があるからです。それをクリアにするには、B全体の底上げが必要」

 情報共有によって、日本のラグビーの競技レベルを引き上げたい。その一念から、ジャパンへも社内で把握する気象データを提供していたのだ。そして28日、支援の幅を男子7人制にも広げると発表した。11月7〜8日に香港で開かれるオリンピック・リオデジャネイロ大会のアジア予選に向け、準備を下支えする。

(文:向 風見也)
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