10月27日、ラグビーワールドカップリミテッド(RWCL)は、ラグビーW杯2019 組織委員会、日本協会とロンドンで記者会見を行い、日本で開催される2019年ラグビーW杯のロゴを発表。併せて開幕戦を9月20日(金)に東京スタジアムで、決勝戦を11月2日(土)に横浜国際競技場で開催すると発表した。
会見に出席したのは、RWCLマネージングディレクターのブレッド・ゴスパー氏、ラグビーW杯統括責任者 アラン・ギルピン氏、日本ラグビー協会坂本典幸専務理事とラグビーW杯2019 組織委員会 嶋津昭事務総長。
冒頭でゴスパー氏は「今回のイングランド大会は商業面でも観客動員でも、これまでの歴史を塗り替えてきた。なかでも日本代表がブライトンで南アフリカ代表を破ったことは、ハリウッドの映画になるくらい世界のスポーツ史に残る勝利。この勝利で、そこまで多くはなかった日本国内のファンが増え、スコットランド戦では2000万人が、サモア戦では2500万人がテレビ観戦をした。日本代表は最も理想的な形でラグビー人気を開拓してくれた。次の大会ではそれをさらに発展させていきたい。恐らくこれまでと全く違う大会になる。さらに今回の記録を塗り替えるはずだ」とスピーチした。
続いてギルピン氏が「今日が2019年に向けての新しいスタート」として、開幕戦と決勝戦の日程を発表した。
「これは主要スポーツの日程、商業的な事情を考慮したベストです」
今回は9月18日(金)に開幕し、10月31日(土)に決勝が行われたが、次回もほぼ同時期の開催となる。
続いて新しい大会ロゴも発表された。これまで使われていたロゴにはワールドラグビー(WR)ではなく、名称変更前のIRBのロゴが使われており、この日に発表されたものがWRの入った初めての大会になる。WRのロゴに日本を表す日の丸と富士山をあしらったデザインだ。
テーマは「ユニティ(一体化)」。
「日本と言えばライジングサン。朝日と、同じく日本の象徴である富士山をあしらいました。ユニティという言葉にはさまざまな意味がこめられています。たとえばWRと日本の一体化、今のファンと、新しいファンとの一体化もその一つでしょう」(ギルピン氏)
デザインに関しては、1年前からRWCLと組織委が協議を重ね、デザイン会社フューチャーブランドに依頼。WRの既存のロゴに日本らしさを加味したという。
嶋津氏も「素晴らしいロゴ。日本はライジングサンの国だが、先日アイルランドの新聞に“ランドオブライジングスクラム”と書かれており、感銘を受けた。95年に南ア開催の大会で、地元南アが優勝して“インビクタス”という映画がつくられたが、4年後にはそのジャパンバージョンができることを夢見ている」と抱負を語った。
坂本専務理事も「今回はアジアで初めて開催される大会としても大きな一歩となる」と意義を述べた。
試合日程に関しては、来年中の発表を予定しているという。従来の日程でいけば、予選プールは9月20日から10月12日までの3週間、10月19日からは決勝トーナメントに入る。試合会場は12会場が決定しており、1会場で2試合は行うという。
プールステージの組み合わせ発表に関してギルピン氏は「さまざまな課題を吟味して、早すぎることなく決定していきたい」と述べるにとどまった。今回大会のプール決定は、開催3年前の12年3月。一時的にイングランドのランキングが下がっていたため、オーストラリア、ウエールズと同プールとなり、決定が早すぎたという批判が出たことを考慮したと見られる。
ニュージーランドのテレビ局からは「新国立競技場が使えなくなったように、今後も予定していた会場が使えなくなる可能性はないのか」との質問も飛んだが、ギルピン氏は「(決勝会場の)横浜はもう既にあるので安心している(笑)。他の会場も非常に熱意があり、同様の問題は起きないと確信している」と答えた。
今後の注目は予選日程の発表と試合会場になりそうだ。