(Photo: Getty Images)
左太もも裏を痛めてワールドカップ・プールBのラスト2試合(スコットランド戦、アメリカ戦)を欠場していた南アフリカ代表の38歳LO、ヴィクター・マットフィールド。「控えでも、どんな役でも構わない。チームのワールドカップ制覇に貢献したい」と語り、準々決勝出場を熱望していたが、まだ痛みは消えておらず、今週土曜日にトゥイッケナムでおこなわれるウェールズ戦のメンバーには入らなかった。負けたら終わりの戦い。最悪の結果になれば、スタンドで代表キャリアを終えることとなる。マットフィールドは4年前のワールドカップ後に一度引退したが、ラグビーへの情熱が再燃し、昨年、現役復帰していた。
負傷離脱したCTBジャン・デヴィリアーズ主将の代わりにチームをけん引すると思われた副将のマットフィールドだが、怪我でプレーできないため、いまはSHフーリー・デュプレア(サントリー)がキャプテンを務めている。セカンドローは、近い将来、新たな世界最強ツインタワーになると言われている23歳のエベン・エツベスと22歳のルード・デヤハーが先発する。
日本代表との初戦に敗れ、プールステージ敗退の可能性もあった南アフリカだが、過去2回ワールドカップ優勝を経験しているチームだけあり、トーナメントへ向けて調子を上げてきた。ひざを痛めていたベテランWTBのJP・ピーターセン(パナソニック)は回復。ニュージーランドの英雄、ジョナ・ロムーが持っていたワールドカップ通算最多トライ記録(15トライ)に並んだWTBブライアン・ハバナは、ウェールズ戦で記録更新を狙う。
自身にとって4大会目のワールドカップを戦っているFLスカルク・バーガー(サントリー)もウェールズ戦に先発予定で、ジョン・スミット元主将を抜いて南ア代表最多のワールドカップ出場者となる(18試合)。
対するウェールズは、故障者続出の悪夢をチーム一丸となって克服してきたが、10日のオーストラリア戦(プールA最終戦)でWTBリーアム・ウィリアムズが負傷し、7人目の離脱者となった。このため、オーストラリア戦で13番をつけたジョージ・ノースは本職であるWTBに戻り、アウトサイドCTBには大会途中で招集された20歳のタイラー・モーガンが入る。前の試合で頭を打ったインサイドCTBのジェイミー・ロバーツは問題なし、先発だ。
フロントローにはウェールズ代表118キャップのPRゲシン・ジェンキンズがスタメン復帰。バックローにはFLダン・リディエイトが戻り、FLサム・ウォーバートン主将、NO8トビー・ファレタウとの経験豊かなトリオで挑む。
これまでの両チームの対戦成績は南アフリカが27勝1分2敗と大きく勝ち越しているが、昨年11月にカーディフでおこなわれた直近の対戦ではウェールズが12-6で勝っている。ウェールズは今大会でも堅守を武器にイングランドを破るなどして最激戦区のプールAを勝ち抜いており、南アとの準々決勝も激闘となりそうだ。