10月12日、八王子市の上柚木公園陸上競技場にて、関東大学リーグ戦1部2試合が行われ、昨年の覇者・流経大が中大の終盤の追い上げを振り切り40-30で勝利。開幕4連勝として全勝を守った。また、法大は拓大に先制されるなど苦しい時間帯もあったが、効果的にトライを重ねて47-19で1敗を死守。
序盤は流経大が支配。FB桑江健一郎がキックゲームを冷静に対処すると、時折そのランニングスキルを駆使してカウンターを決める。さらに、前に出たポイントから素早い展開、SO東郷太朗丸は多くの引き出しを駆使してトライを演出して、前半11分には流経大が14-3とリードを広げる。中大のタックルミスこそあったが、自陣から一気にトライまで持っていける高い攻撃力を垣間見せた。
しかし、前半の中盤に防御で規律が乱れる。防御の枚数が少なくなったところを、中大BKのチームプレーに徹した素早いライン攻撃に攻略される。「中大は気持ちで圧してくるチーム。そこでリアクションスピードが課題として残りました」と内山達二監督は振り返る。
15点をリードして折り返した後半も最初にチャンスをつかんだが、先に得点したのは中大。後半14分には28-25と3点差に迫られる。ここで意地を見せたのが流経大FWだった。24分には敵陣22メートル外側からFWがピックアンドゴーで何度もフェーズを重ね、最後はPR大川兼聖がインゴールに飛び込む。33分にはカウンターアタックからオープンに展開して、HO中村篤郎がダメ押した。
得点が欲しい時間帯にきっちり取れる。HB団の黒木大貴、東郷が攻撃の上手さを見せれば、FW陣は苦しくても前に出られる強さを出す。スキルアップも明白で、「昨年を経験して、ゲーム理解力が上がった」(内山監督)。
法大は前半に4人のシンビンを出すなど苦しい展開だったが、その前半に6トライを奪い40-19と大きくリードする。拓大のスクラムに苦しめられ、ポゼッションでは劣ったが、CTB和田源太が鋭いカットインなどの個人技でトライを奪うなど才能の一端を垣間見せた。その一方で、「どのようにゲームを組み立てていくか。その部分が成長していかないと」と法大・谷崎重幸監督。
また、前半の終盤は13人で戦ったが、ピッチ上ではタックルして、起きてを何度も繰り返して無駄な得点は防いだ。その部分が今後に活きてくるか。まだ歯車がかみ合わないが、ここから法政が逆襲してもおかしくない。