(Photo: Getty Images)
ラグビーワールドカップ2015(英国大会)。日本とのプールB2位争いを制して8強入りしたスコットランドの準々決勝の相手は、オーストラリアに決まった。オーストラリアは10日、トゥイッケナムでウェールズを15-6で下し、プールA全勝で1位通過が確定したため。
3勝1敗でプールA2位となったウェールズは、準々決勝でプールB1位の南アフリカと対戦する。
オーストラリア、ウェールズともディフェンスが堅かった。トライは生まれず、スコアはいずれもPGによるもの。オーストラリアのSOバーナード・フォーリーが、相手キッカーのSOダン・ビガーより3本多く決めた。
57分(後半17分)、オーストラリアのSHウィル・ゲニアがイエローカードをもらった。直後、ウェールズのNO8トビー・ファレタウがインゴールでボールを押さえたかに思われたが、TMOでノックオンが確認された。
しかし、オーストラリアにオフサイドがあり、ウェールズの攻撃は続く。必死に守るオーストラリアだったが、LOディーン・マムも反則で10分間の一時退出が命じられ、13人になってしまった。
それでも、オーストラリアは相手に点を取らせなかった。
62分、ウェールズが右サイドを攻めてCTBジョージ・ノースが突っ込んだが、またもオーストラリアがヘルドアップ。
オーストラリアのFW7人がゴールラインを背にしてスクラムを耐える。ボールを回されても、防御網は堅かった。そして、ベテランWTBアダム・アシュリー=クーパーのビッグタックルもあり、オーストラリアはピンチを脱出した。
その後、敵陣に入ったオーストラリアはPGで追加点を奪いセーフティーリードとし、残り時間も守り切って接戦をものにした。
数的優位の場面でセットピースから逆転トライをめざしたものの、オーストラリアの堅守に阻まれ惜敗したウェールズのサム・ウォーバートン主将は「あれだけやられたらお手上げだ。彼らのディフェンスはほんとうにすごかった」と相手の強さを素直に認めた。しかし、自分たちにも確かな手ごたえを感じたようで、「後悔はしていない。我々も、世界最高峰の攻撃力を持つチーム相手にトライを許さなかった。私はハッピーだ」と語った。
一方、勝ったオーストラリアのマイケル・チェイカ ヘッドコーチは安堵の表情で、「ウェールズに対し、投入できるものはすべて投入した。非常に難しい試合だったから、コメントするのも難しいほどだ。我々はミスも犯したが、体を投げ出して守りきった。選手たちを誇りに思う」と、必死に戦い抜いた選手たちを称えた。