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アルゼンチン2勝目! トンガは2019年W杯自動出場権獲得も厳しい状況に

2015.10.05
アルゼンチンの英雄、マラドーナも応援に訪れていた(撮影:池貝 亨)

 アルゼンチン対トンガ、両者にとって準々決勝進出をかけた大一番。サッカーのプレミアリーグ、レスター・シティーのホームにはアルゼンチンサポーターが大多数を占めた。
 戦いの前、「シピタウ」をリードしたのはFBヴンガコト・リロ。

 序盤、トンガは立て続けにハイタックルの反則でリズムをつかめないが、アルゼンチンのハンドリングエラーからフェーズを重ねて、前半7分、SOカート・モラスがトライ。トンガが先制した。端からのコンバージョンは惜しくもポストに弾かれる。
 その後もアルゼンチンのノックオン、スクラムでの反則でトンガはFBリロらがゲイン。SHソナタネ・タクルアがゴール前に迫るも、アルゼンチンのタックルにあい、ノックオン。好機を逃してしまう。

 アルゼンチンがリズムに乗り始める。18分に敵陣10メートル付近からのPGを決め、直後のキックオフからBKがつないでFBホアキン・トゥクレットがトライ。その後のキックオフからもSOニコラス・サンチェスがロングゲイン、WTBフアン=ホセ・イモフがゴールラインを越えた。これらはわずか3分での出来事だった。
 26分にもトンガのスクラムでの反則からSOサンチェスが敵陣10メートル付近からのPGを決め、20-5。徐々に突き放していく。

 試合展開に安心したのか、アルゼンチンにハンドリングエラーが出始める。30分、今度はトンガのスクラムが勝り、SOモラスが10メートル手前からPGを決め、20-8。このまま流れを自分たちのものにしたいトンガは38分、敵陣ゴール前に迫ったWTBテルサ・ヴェアイヌのタッチライン際のパスをPRソアネ・トンガウイハがキャッチしてトライ。20-13とトンガが7点差に詰めて前半を終了した。

 後半開始直後、トンガはPGを決めて4点差まで迫る。アルゼンチンも直後にPGを返し、ふたたび7点差に。その後トンガは2度の難しい位置からではなかったPG機をSOモラスが外してしまい、流れに乗れない。
 対して、アルゼンチンは13分、SOサンチェスのPGで26-16に。以後もトンガゴール前に迫り、相手の必死の抵抗にあうが、24分にSOサンチェスがゴールに飛び込み31-16とふただび突き放しにかかる。アルゼンチンサポーターは最高潮に。

 もうあとがないトンガは敵陣ゴール前に迫るもミスが続き、相手にボールを渡してしまう。アルゼンチンは72分、PKを得るも、タッチキックでトライを狙いにいく。ラインアウトから交替出場のHOフリアン・モントーヤが右隅にトライ。4トライ以上によるボーナスポイントを獲得した。そして、SOサンチェスが端からのコンバージョンを決めて、38-16、試合を決めた。終了前にも慌てるトンガのミスを逃さず、WTBサンティアゴ・コルデーロのトライで締めくくった。コンバージョンも決まり、45-16で試合終了。

 試合後、トンガ代表のニリ・ラトゥ主将は「アルゼンチンのようなNZとも互角に戦えるチームとやると、ミスが命取りとなってしまう。個人的なミスは克服できるので、次戦(9日)に向けて修正していきたい。オールブラックスとやれることを楽しみにしている」と語った。

 アルゼンチンはナミビアと1週間後の11日に対戦。余裕を持ってプール戦を終えることができる。今日の試合で25点(1T4G4PG)を挙げたマン・オブ・ザ・マッチのSOサンチェスは、日本の五郎丸歩を抜いて得点王争いのトップに立った。

 トンガは次のNZ戦で4トライ以上して勝たなければ、その時点で準々決勝進出の可能性はなくなる。NZに敗れ、そのうえ、プール3位を争うジョージアが7日のナミビア戦に勝利していれば、トンガはサモア、フィジーとともに、2019年大会へはオセアニア予選を経なければならなくなる。

(文:池貝 亨)
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