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「サモア戦はW杯でもっとも大切な試合」。ジャパン、最強メンバーでいざ。

2015.10.02
「決戦」へ向け準備をすすめる、五郎丸歩らジャパンの選手たち。
(撮影/早浪章弘)

「W杯でもっとも大切な試合です。我々は最強チームを構成することができました」
 10月3日のサモア戦出場メンバー発表会見で、エディー・ジョーンズHCはそう切り出した。
 大会前のジョージア戦でタックルに行った衝撃で退場したNO8龍コリニアシホラニが大会初の先発。負傷でスコットランド戦を欠場したSO小野晃征、南ア戦翌日に魚に噛まれるアクシデントに遭ったWTB山田章仁も戻ってきた。

 ただし、予選プールは3試合目。誰もが万全のコンディションというわけではない。アマナキ・レレィ・マフィも日々よくなってはいるが、「後半30分間の出場となるでしょう」(ジョーンズHC)。SH田中も負傷でこの2日、練習しただけ。「彼は身体が小さいから練習量も少なくていいのです」。指揮官は詳細を尋ねる報道陣を煙に巻いた。
「3試合目となれば、完璧なコンディションの選手はごくわずか。メンタルの強さで乗り越えなければ。この23名はメンタルの強さで戦ってくれると思います」

 会見中ジョーンズHCの口から何度も出た単語は「スマート(賢く)」。
 サモアはの3番センサス・ジョンストンは190?、135?の巨漢。3列には2試合の出場停止処分のあけたFLケーン・トンプソンはじめサイズある選手を揃えた。SOトゥシ・ピシ、FBティム・ナナイウィリアムズは卓越した個人技を誇る。
「賢くスクラムを組む、ラインアウトもそう。ナナイウイリアムズは1人で止めるのでなく2人、3人と行く。すべて賢く行わなくては」 
 リーチ マイケル主将も簡潔に決意を語った。
「ものすごくデカい相手に一番やらないといけないことは、身体を張ること。自分を犠牲にして止める。それをしないとやられてしまう」

 南太平洋の勇者・サモアは小細工の効く相手ではない。心は熱く、頭はクールに。10月3日、ミルトンキーンズのスタジアムmk。日本代表全員の勇気と知恵が試される。
「フィジカル&スマートなラグビーをする。それを80 分継続すれば勝てる。できなければ違う結果になるでしょう」(ジョーンズHC)

(文・森本優子)

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