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ラグビーワールドカップ（W杯）イングランド大会に出場中の日本代表は、23日、グロスターでスコットランド代表との予選プールB第2戦に挑む。司令塔のSOには、立川理道が入る。19日、ブライトンでの初戦ではCTBとして出場し、存在感を放っていた。
初戦ではタックルの嵐を降らせた。34-32。優勝回数2回の南アフリカ代表を向こうに、ジャパンの大会24年ぶりの勝利をもたらした。
「スタジアムでは（演出上）炎がボン！ と上がったりして…。テレビで観ていたワールドカップに、自分がいるんだ、楽しみだ、と。前半から、ジャパンの仕事をすればイケるという思いはあった。個人個人、本当に気持ちの入ったタックルができた。自分たちはフィットネス（持久力）に自信があるとわかっていた。むしろ、向こうが僕らの低いタックルを嫌がっていた。しつこく行って、リロード（タックルした直後に立ち上がり、守備網を作る動作）して。続けていれば簡単にトライを取られないとわかっていた」
真骨頂は、ゲインライン（攻防の境界線）への仕掛けだ。この日も立川は、相手の司令塔の位置へ果敢にぶつかる。そして後半28分、それまでのプレーを伏線として、一撃必殺のサインプレーを発動させた。
敵陣22メートル手前左のラインアウトからSH日和佐篤が左中間で球を受けると、右へ流れた立川がパスをもらう。相手を引きつけつつ、また左へ折り返した。CTBマレ・サウの陰に隠れていたSO小野晃征がそこへ駆け込み、もらったボールをすぐに近くのWTB松島幸太朗へ渡す。最後は右中間のがら空きのスペースを、FB五郎丸歩副将が駆け上がった。FB五郎丸副将は直後のコンバージョンも決め、29-29と同点に追いついた。
日本代表が歓喜に沸いたこの場面。立川はこんなふうに振り返っていた。
「それまで、僕が何回も相手の10番（SO）のところへ行っていて、向こうは足が止まってくれたので」
21日。ブライトンでスコットランド代表戦のメンバーが発表された。会見に応じたFLリーチ マイケル主将は、初戦での立川の貢献ぶりを明かしていた。
「一番、素晴らしかったのは立川。相手のディフェンスがどうなっているのかを伝えてくれたし。ゴローさん（FB五郎丸副将）のトライのところも、それまで同じパターンで10番に身体を当てていたなかで、（プレー選択の中身を）チェンジした。彼のリーダーシップはすごい」
昨季はオーストラリア留学時に心身のコンディションを崩したため、納得のいかないパフォーマンスを重ねた。しかし、2011年度に天理大の主将としてチーム史上初の大学選手権決勝へ上り詰めた勝負師は、快勝した直後、穏やかな口調で充実ぶりを語っていた。
「落ちついて、もう気持ちを切り替えている。スコットランド代表に対する大まかなゲームプランはある。時間はないので、しっかり分析してやりたい」