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自国開催ラグビーワールドカップで優勝を使命とするイングランド代表が、まずはプールステージの最激戦区突破へ向け、開幕戦でボーナスポイント付きの大きな勝利を手にした。9月18日、トゥイッケナムスタジアムで難敵のフィジー代表と対戦し、35-11で勝利。先発したFBマイク・ブラウンが2トライを決め、モールでも得点、試合終了間際にはNO8ビリー・ヴニポラがねじ込んで計4トライを挙げた。
立ち上がり、フィジーにミスが出た。硬くなっていたか、SOベン・ヴォラヴォラがノックオン。イングランドが直後のスクラムでPGチャンスを得、SOジョージ・フォードがキックで今大会最初のスコアラーとなった
前半13分、イングランドはラインアウトからローリングモールで一気にゴールに迫り、フィジーがたまらず反則、レフリーはペナルティトライを宣告した。
観衆80,015人の大半を占めたであろうイングランドサポーターが盛り上がるなか、22分には敵陣深くでの相手ボールラインアウトをスチールし、FBブラウンがゴールラインを割った。
2大会ぶり3回目のベスト8入りをめざすフィジーも意地を見せ、27分、シンビンから戻ってきたばかりのSHニコラ・マタワルの力走でムードが変わる。スクラムから出た球を拾って約50メートル駆けたマタワルはグラウンディング寸前に落球したものの、フィジーは直後のスクラムでターンオーバーし、SOヴォラヴォラのピンポイントキックパスをWTBネマニ・ナンドロが空中戦で競り勝ってインゴールにボールを押さえた。
しかし、華麗なアタッキングラグビーが魅力のフィジーがトライを奪ったのはこの1本のみ。
PGを重ねて、残り10数分の時間帯では7点差に詰めていたが、イングランドもショットで3点を追加し、72分にはしぶとくつないでまたもFBブラウンがファイブポインターとなり、勝利を引き寄せた。
ラストアタックでチーム4トライを挙げたのは大きく、オーストラリア、ウェールズも集うプールAで、イングランドはフルポイントの勝点5を刻んでいる。
「高い野心をもってこの試合に臨んだだけに、選手たちはドレッシングルームで落ち込んでいた」と語ったのは敗れた側のジョン・マッキー ヘッドコーチ。「イングランドにプレッシャーをかけたときもあったが、自分たちの反則とエラーで相手を立ち直らせてしまった」と悔やんだ。
一方、勝ったスチュアート・ランカスター ヘッドコーチはボーナスポイント獲得につながった攻撃だけでなく、得点力高いフィジーに1トライしか許さなかった守備も称賛した。「ディフェンスにおける選手たちの力強さには大変満足している。フィジーは我々のディフェンスシステムをそんなに破ることはできなかった」。
イングランドは次のウェールズ戦に勝てば準々決勝進出が大きく近づく。指揮官は「ウェールズ戦まで8日間ある。我々はパフォーマンスをもっと向上させなければならない」と気を引き締めた。