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32歳の新人、敗戦にも充実の顔。セコムSH岡健二が開幕戦出場。

2015.09.14

写真中央、オレンジのジャージがセコムSH岡健二。(撮影/見明亨徳)

 トップイースト開幕戦で13-52と横河武蔵野に完敗したセコム。この試合には、転職してきたばかりのベテランSHが初めての試合に出場した。後半20分からぶっつけ本番だった。
 岡健二(32歳/國學院久我山−慶大)。2010年度シーズンから5年在籍したNTTコミュミケーションズシャイニングアークスを昨季限りで引退し、4月以降は同社で社員として働いていた。シャイニングアークスの前にはヤマハ発動機ジュビロでも5シーズン所属。計10年間の選手生活を終えて決着をつけたはずだったのだが、「コーチの勉強もしたかったがコムではできない。まだ現役としてできるかなと思っていた時にセコムと巡り合えた」と縁に恵まれ、ピッチに戻ってきたのだ。

 NTTコムを6月末で退社した。7月にセコムに社員として転職。現在は西関東本部狭山営業所で警備の仕事にも就いている。自宅も千葉県浦安市からグラウンドがある狭山市へ引っ越した。
「警備の仕事は夜8時から朝9時まで。セコムの製品で警備しているお客様の場所からアラームが鳴ったら車でかけつけたりしています」
「さすがにきついですね」と話すが、充実の表情だった。
 チームに合流してきちんと練習できたのは8月の函館合宿以降だ。今回の初戦前の週にも徹夜勤務があった。これは岡自身だけでなく、徹夜勤務で思うように練習ができない選手が多いのもチームの悩み。しかしベテランは、「いい素質を持った選手も多い。あまり先を見ないで目の前のこと1個ずつをきちんとクリアしていけば伸びるチーム」と考えている。

 山賀総監督は岡の存在感について、こう話す。
「練習に取り組む姿勢、若い選手へのアドバイスなど試合以外でも期待しています」
 まだ周囲とのコミュニケーション面でも課題があるが、岡自身は、「選手一人ひとりの癖を覚えて早くチームに貢献したい」と前向きな姿勢を見せている。
 今季はチームに、NTTドコモレッドハリケーンズを昨季で退団したSO茂木大輔(29歳)も加わった。トップリーグでチームを鼓舞してきた2人の新人ベテランコンビが躍動すれば、創部30周年という節目のシーズンに祝杯を数多くあげることができるだろう。

(文・見明亨徳)

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