2年ぶりの公式戦出場で躍動した横河SH森重樹。(撮影/見明亨徳)
トップリーグ昇格を目指す関東地区のトップイーストDiv.1が9月12日からスタートした。昨季リーグ戦6位の横河武蔵野アトラスターズと最下位のセコムラガッツが東京・三鷹市の横河グラウンドで対戦。横河がセコムを52-13(前半/24-7)と圧倒し、ホームでの初戦を飾った。
試合はハーフウェイラインをはさみ、お互い22メートルラインまで行くのがやっとの攻防で始まった。
そんな均衡が破れたのは前半11分。セコムがセンターライン付近で得たスクラムから10数次のアタックを仕掛ける。右ライン際でWTB本郷伸太郎からのパスを受けたPR中島崇裕がトライラインを越えて先制した(コンバージョンを本郷が決め7-0)。
セコムが調子づくかと思われた流れ。しかし、ここでスイッチを入れたのは横河だ。19分、2013年11月の秋田ノーザンブレッツ以来、久々にメンバー入りを果たしたSH森重樹がセコムのゴール前でペナルティを得る。クイックで仕掛けSO田沼崇へ。トライを返した。
ルーキーFB高橋大輔(帝京大)のコンバージョンも成功し、7-7の同点。続くリスタート後、FL延権祐(韓国代表)が相手を持ち上げるタックルでシンビン、さらに高橋がPGを外すなど嫌な空気が流れそうになったが、横河は乱れなかった。PGを外した後のセコムのキックをHO糠盛俊介がチャージ。さらに、そのこぼれ球をセコムがキックしたところを横河は再び身を挺してチャージする。インゴールへ転がったボールを押さえたのはLO小笠原和徳だ。コンバージョンも成功し、14-7とした。横河は5分後にも、ゴール前で得たPKから森がクイックで仕掛け、糠盛につなぐ。トライを追加し、前半を24-7で終えた。
後半開始5分、セコムはPGを決めて10-24と少し差を詰めた。しかし…反撃はそこまでだった。
横河は5分後にセコム22メートルライン付近の右スクラムから左オープンへ素早く展開し、WTB西真がトライを決める。その後も西の2本目のトライなどで3トライを追加し、52-13で大勝した。
圧勝した横河・佐藤幸士監督は「試合の入り、選手は緊張していた。しかし点を取られた後はセコムのアタックに対してディフェンスが機能した。相手のミスやターンオーバーからトライを奪えた。ゲームプラン通りの戦いができた」と満足げだった。今季はあくまでリーグ戦優勝を目指している。「去年は6位だったが、負けた試合も得点差はあまりなかった。ぎりぎりで勝ったのが2年前(2位でトップチャレンジ出場)、落としたのが去年。そこを修正すれば優勝が見える」と話した。
一方、昨季限りでジャージーを脱いで総監督に就任したセコム・山賀敦之氏は「クイックからのアタックなど、本当はセコムがやらないといけないことをやられた。チャレンジャーとして臨まないと。春はトライ数2本−4本で差が無かったのですが。何で負けたのか…」と言葉少な目だった。