4年に1度のワールドカップ(W杯)を9月に控えるラグビー日本代表は、9月1日に離日する。FL/NO8リーチ マイケル主将は「日本のラグビーを変えられるのは俺たちだけ」と意気込んでいる。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)の大会終了後の辞任が発表されてから、トレーニングの雰囲気が引き締まったか。8月29日、東京・秩父宮ラグビー場でのウルグアイ代表戦。大会前最後の国内でのテストマッチ(国同士の真剣勝負)を40-0で終え、「(個々の)責任感が強くなった。W杯で勝つために集中して、いい準備をしてきました」と話した。
「アタックのリズムが良くなった。1人ひとりのボールキャリー(球を持って相手とぶつかるプレー)の質が上がった。少しでも前に出て、クイックボール(速い球出し)ができた。ゲインラインよりも前で、前で…と」
大会登録メンバーの31人は31日に正式発表されるが、指揮官の胸の内ではもっと前から決まっていただろう。ジョーンズHCも公の場で「何か月も前から構想は決まっていた」と認めており、リーチら多くの主力組もその雰囲気を察している。しかし…。
――当確組に、どんな声をかけているか。
「必要ない」
某日、リーチ主将は首を横に振った。
「スタンダードは、落とさない。(候補メンバーから落選せずに)選ばれたからといってスタンダードを落としたら、意味がないから。そのことについて、俺が仕切れるところは仕切っていきたい」
自分たちは何としても、24年間未勝利のW杯で準々決勝へ進む。その意思統一を進める。昨今、W杯の2019年日本大会の開催危機が報じられるなど、競技運営の根幹が揺らぐ事態が重なっている。しかしリーチ主将は以前から、国内のラグビーの発展には「選手から発信しないとだめだ」と話している。
公式会見では、痛切なメッセージを残す。
「W杯まで、戦術もストレングスもよくなっていく。あとは何のためにW杯を戦うか(を再認識する)。チームで言っているのは、日本のラグビーを変えられるのは俺たちだけなんだ、と。勝たないと、何も変わらないままになる。このチャンスを活かさないと」