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キヤノン小野澤、ブルズ戦に挑む仲間とジャパンにエール!

2015.07.31

onozawa

2011年ワールドカップNZ戦でトライを挙げ、リーチ(現日本代表主将)とタッチを交わす小野澤
(撮影:Yasu Takahashi)

 31日、東京・町田市陸上競技場。南アフリカのブルー・ブルズが、日本最高峰トップリーグのキヤノンと対戦する。

 キヤノンには、この1戦に出場しなくとも期待感を抱く選手がいる。WTB小野澤宏時。移籍2年目の37歳だ。前所属先のサントリーでは、入部2年目の2001年にウェールズ代表と対戦。この日の活躍で日本代表入り(のちに国内歴代2位となる81キャップ=国同士の真剣勝負への出場数獲得)のきっかけを掴んでいる。だからこそ、現所属先のビッグチャレンジにはこんな思いを抱いている。

「キヤノンみたいながつがつした若手の多いチームにとっては、いい。ひとつの目標設定をしてそこへチャレンジするなかで、世界の空気にも触れられる。それによってチームがどう変わるかについても、興味があります。ウェールズとの試合も、代表入りのきっかけとなったので。(今回も)結果を出せば、(代表入りへの)権利としては持っているかもしれないですね」

 2003、07、11年のワールドカップなどに出場し、テストマッチ(キャップ対象試合)では世界歴代5位の55トライを記録。日本を代表するトライゲッターの1人だが、現ジャパンとは距離を置かざるを得ない状況にある。もっとも、今秋のワールドカップイングランド大会に向けては「全力応援」を宣言。自分なりの繊細な視線で、ただただ前向きなメッセージを送る。

「勝つもんだと思って、待ってます。周りでも『勝てるの?』みたいな雰囲気を刷り込まないようにするのがいいんじゃないかと思っていまして。確かに、世界的に観たら日本はチャレンジする立場。それが大きな大会で、初めて経験する人間はパニックになるかもしれない。だから、パニックになるかもしれないという目線すらも、なくていいんじゃないかなと。淡々と、粛々と準備をさせてあげて、彼らの大会にすることが大事かなと。こちらは組織がイメージすることに対して、プラスになることをやっていければ。きっと、大丈夫です」

(文:向 風見也)