パシフィック・ネーションズカップ(PNC)に参戦中の日本代表は、アメリカのサクラメント・ボニーフィールドで日本時間25日、アメリカ代表と対戦し、18-23で敗れた。
序盤は劣勢だったが前半最後にWTB山田章仁のトライで逆転し、後半はスクラムの強さを発揮してリードを広げた。が、反則が続いて、粘るアメリカにPGで追いつかれ、さらに、ラインアウトからのモールでゲームをひっくり返された。日本は試合終了前にチャンスとなりながらも痛恨のペナルティを犯してしまい、再逆転ならず。苦汁をなめる結果となった。
約2か月後のワールドカップで同組に入るライバルとの前哨戦。
序盤はアメリカが敵陣で攻める時間帯が続き、PGを重ねられた。フィジカルが強いアメリカに押され気味の日本だったが、次第にディフェンスで相手にプレッシャーをかけ、活気づく。
36分にSO立川理道のPGで6-9とすると、リスタート直後、FLマイケル・ブロードハーストがタックルで相手の落球を誘い、流れを呼び込んだ。そして、自陣スクラムからのアタックで、SO立川―CTB山中亮平のループ、WTBカーン・ヘスケスを経由してボールを手にしたFB藤田慶和が大きくゲインし、2対1の状況になって左WTB山田につなぎ、逆転トライを決めた。
11-9で迎えた後半は日本の入りがよく、48分(後半8分)、ゴール前のスクラムを押し込んでNO8ホラニ龍コリニアシがグラウンディングし、コンバージョン成功で18-9となった。その後もスクラムで優勢だった日本。
しかし、ホームの大声援を受けたアメリカは息を吹き返し、3連続PGで同点に追いついた。日本は66分にも反則を犯し、アメリカはラインアウトからモールドライブ、バックスも加わってインゴールに押し込み、日本は逆転トライを許してしまった。
75分を過ぎてから日本は敵陣22メートルライン内で攻め続け、試合終了1分前、FWが少しずつ前進してラストチャンスとなる。が、ラックでのボールキープを助けようとFLブロードハーストが突っ込み、反則の判定。日本が再びボールを手にすることはなく、結局、アウェイでのタフなゲームに勝利することはできなかった。
「ラグビーワールドカップへの準備となる良い試合だった。今日出場した何人かの選手にとって、もっとも重要な試合となったはずだ。今日はゲインラインを越えることができなかったことが苦戦した原因。セットピースのボールの質、選手たちの走るコース、相手のディフェンスによってその状況を招いた。日本代表の今日のバックスは小さい選手が多く、ゲインラインを越えることができなかった」とエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ。
ゲームキャプテンを務めたPR畠山健介は「いい経験になった試合。スクラムは後半よくなったが、前半のうちに修正することができればより良かった。スクラムでも前に出ることが必要だった」と語り、SO立川は「アメリカ代表のフィジカルが強いというのはわかっていたが、スピードは日本代表の方が上だった。少しシステムが噛み合わない部分があったが、これから修正できると思う。試合の最初は新しいシェイプなどをチャレンジした部分もあった。若手主体のチームで、いい経験ができてチームの底上げになる試合だった」と振り返った。
今大会で1勝1敗となった日本は、このあとカナダのトロントに移動し、日本時間30日におこなわれる第3節でフィジー代表と対戦する。
ジョーンズ ヘッドコーチは「フィジー代表はこの大会で一番強いチームだと思う。最強のチームで臨みたい」と語った。