昨季は帝京大の主将として大学選手権6連覇を達成したSH流大は、現在、サントリーの新人選手として奮闘中だ。11月に開幕する国内最高峰トップリーグ(TL)で、チームのレギュラーとしてプレーしたいという。
――今季の目標は。
「9番を着ること(スクラムハーフの先発)です」
身長165センチ、体重75キロと小柄ながら、テンポのよいパスさばきと好判断を持ち味として大学4年時は代表入りも果たした。今年2月8日には、東京・秩父宮ラグビー場での日本選手権1回戦でTL勢を撃破した。31-25。向こう側のWTBが前に飛び出した瞬間、その背後にキックを通すなど、NECを相手に持ち味を発揮した。
「1年間、いい準備ができた。また、勝ちたいという気持ちの部員が増えた。一昨年もTLのチームに勝つことを目標に置いていましたが、正直、本当にそう思えていたのはAチーム(主力)とBチームの一部だったと思います。去年は下のチームも本気で勝ちたいと思っているのが、伝わってきていました」
7月11日、本拠地の東京・サントリーグラウンド。その母校と練習試合をおこなった。先発したSH流は脱帽した。
「サントリーのアタックのサポートが遅いなか、帝京のディフェンスが激しかった。プレッシャーを受けてしまった。個人としても課題の残る試合でした」
今季は日本選手権が「学生王者対TL王者」の一騎打ちとなるなか、後輩たちは「日本一」を目指している。サントリーはSH流が交代後に33-31と逆転勝利を決めたが、帝京大がレギュラーを揃えていた前半は7-19とリードされていたのだ。
目標の「9番」を目指すにはさらに「スピード」が必要だと語り、代表復帰に向けては「判断、コミュニケーション」も磨かなければ、という。
サントリーの同ポジションには、南アフリカ代表のフーリー・デュプレア、日本代表の日和佐篤ら実力者が集う。もっとも今季は4年に1度のワールドカップ(イングランド)が10月まであり、同ポジションの各国代表組はチームへの合流がTL開幕直前となる見込み。いまは4年目のSH芦田一顕と切磋琢磨するSH流は、こう決意を込める。
「それぞれいいプレーヤーで、学ぶべきことは多くあるんです。でも、僕は、9番を着ることをターゲットに置きたいです。そこを目指さないと成長もないですし、9番を着て日本一に貢献したいという思いがあります」