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神戸製鋼が負けん気出してセブンズ日本一! 学生王者・帝京大の健闘及ばず

2015.07.06

kobe

ファイナル。決勝トライを挙げる神戸製鋼のマット・バンリーベン(撮影:矢野寿明)

 国内のさまざまなカテゴリーのクラブが参戦する7人制大会「inゼリー ジャパンセブンズ2015」が5日、東京・秩父宮ラグビー場であり、国内最高峰トップリーグで昨季4強入りの神戸製鋼が、カップトーナメント(予選プール上位組による)の初優勝を飾った。

 決勝戦では、大学選手権6連覇中の帝京大とぶつかった。この日の学生王者は細やかなコミュニケーションでスペースへ球を運び続けていたが、ラストゲームだけは「勝ちたい気持ちが強すぎて、ボールより(身が)前に出てしまったり…」と敗れた松田力也は言う。

 かたや神戸製鋼は、試合を重ねるごとに調子をつけたようだ。この大会で主将を務めた安井龍太は、ファイナルゲームの前半3分にトライを奪っている。自陣22メートル線付近から相手を何人もかわして。身長187センチ、体重105キロも、スピードが持ち味である。「自分の持ち味を出せた」と話し、こう続けた。

「リコーに負けて(予選プール。21-26で敗戦)、チームに勝ちたい気持ちが出てきた。そこからいい流れになった。ほとんど準備をしていないので、技術的な部分(修正)はしていないんですけど、個々の能力を最大限に活かせた」

 前半は17-5と折り返した。後半1分に、のちの大会MVPであるマット・バンリーベンがシンビンで一時退出。ここで相手に主導権を渡し、続く4分には17-22と逆転されたが、安井は「中だるみの時に点を取られる課題はあった。でも、焦りはなくて、負けないという気持ちで最後までできた」。以後は球を保持し、6分に追いつき、後半ロスタイムの11分にバンリーベンが勝ち越しトライを決めた。ゴールも決まり、31-24。

「結果に一番びっくりしているのは、神戸製鋼の選手だと思います。ただ、ハードワークと持ち前の負けん気で手にした優勝だと思います」と安井。優勝賞金の100万円が与えられたが、「(それは)会社に入る…。相談します」と笑わせた。

(文:向 風見也)

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