ラグビー日本代表は4年に1度のワールドカップ(イングランド・9月18日〜10月31日=W杯)に向け、宮崎を拠点に研鑽を積む。29日、都内で会見したエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は、4月からのキャンプの手応えをこう語っている。
「W杯へ向かって、次のステージへ進みました。宮崎で非常にいい合宿があり、選手たちのストレングスが上がりました。フォワードの仕事量、バックスのスキルが上がりました。ボールを持っていないところの動きでも向上が見られました」
指揮官は「W杯への準備は4月から始まっている。直前から何かを…ということはない」とも語った。春先から、ストレングス強化や大一番の際の戦術の確認などを積み重ねてきた。その延長線上で、勝利を狙う。以前にはこう言っていた。
「私の仕事は、一番強いジャパンのチームでW杯で勝つことです」
もっとも、この先は「選手個々を見る」という意識を高めてゆく。かねて候補選手の故障歴やキャリアなどに合わせ「選手それぞれの求めるものを提供する」と表明してきた。2013年6月のウェールズ代表との2連戦中も、続けて先発したCTBクレイグ・ウィングはコンディショニングを優先していた。指揮官は今回、中軸であるCTBマレ・サウをあえて合宿には呼んでいない。
「例えば三上(正貴・PR)は先週、トレーニングに参加していません。そういうことを、やっていきます」
FLリーチ マイケル主将ら、南半球最高峰のスーパーラグビーでプレーしてきた選手もオーダーメイドの調整法で管理する。
「例えば松島(幸太朗)。いい選手なのは明らかです。ハードワークして、スピードも上がり、体重は増えた。ただ、(スーパーラグビーの)ワラターズでプレーしていない。ハル(SO/CTB立川理道。昨春、ブランビーズへ留学も試合出場なし)は、日本に戻ってから現在の状態になるまでに12か月かかりました(それまでの間、パフォーマンスが落ちているように映った)。彼がそういう状態になっていたとしたら、W杯に出るのが難しくなるかもしれません。その意味での状態も、見ます」
現在はオフ期間中のジャパンは、7月6日から宮崎合宿を再開。12日からは北米遠征に出向く。