NTTドコモレッドハリケーンズが今季新たに獲得した大物は、南アフリカ代表の若き司令塔だけではなかった。ブルズのヤングスター、SOハンドレ・ポラード(21歳)の約3か月間の期限付き移籍はすでに明らかになっていたが、オーストラリア代表のFBイズラエル・フォラウ(26歳)と、南ア代表LOエベン・エツベス(23歳)の加入も、7月1日にドコモから正式発表された。
3選手とも今秋のラグビーワールドカップで大会の主役になる得る、まさにワールドクラスのビッグスターだ。
フォラウは今朝、オーストラリアラグビー協会と2018年末までの新たな3年契約を結んだことが発表されたばかり。同国代表選手は原則的に、国内を拠点に活動しなければならないが、才能あふれるフォラウには海外からのオファーも多く、協会は日本でのプレーを許可するフレキシブル契約でフォラウの笑顔を引き出した。
ラグビーリーグ(13人制)で活躍し、オーストラリアの国技とされるオーストラリアン・フットボール(オージールール)では年俸約1億2000万円を稼いでいた男だ。新たな楕円球競技、ラグビーユニオンに転向してからも進化は止まらず、昨年はワラターズのスーパーラグビー初優勝に貢献し、同大会のMVPと、オーストラリアラグビー界の年間最優秀選手に贈られる「ジョン・イールズ・メダル」を獲得した。
2013年の代表デビュー以来、テストマッチ29試合で17トライ。ハイボールに強く、スピードもあるこの天才的なフットボーラーは、ワールドカップ、そしてトップリーグで観る者を熱狂させるに違いない。
エツベスは、南ア代表33キャップ保持者。元チームメイトのLOアンドリース・ベッカーがケープタウンを離れて神戸に向かったあと、ストーマーズのラインアウトをリードした有能なジャンパーだ。身長203センチ、体重117キロ。ダイナミックでフィジカルバトルに強く、闘争心も激しい。2012年のスーパーラグビーデビューイヤーに脚光を浴び、一気に南ア代表入りも果たして、同年の南ア最優秀新人賞に輝いた。翌年は国際統括団体であるIRB(現ワールドラグビー)の年間最優秀選手賞の候補にノミネート。近年は怪我で苦しむ時期もあったが、スプリングボックスの背番号4を不動のものにしており、今年のワールドカップでも活躍が期待される。
ポラードは昨年、U20南ア代表主将を務めてジュニアワールドチャンピオンシップで準優勝し、IRBの年間最優秀ジュニア選手に選ばれた逸材。同年はスーパーラグビーのブルズ、南ア代表のスプリングボックスでもデビューを果たし、国内の表彰式では最優秀新人賞を受賞、ルーキーながら大賞のプレーヤー・オブ・ザイヤーにもノミネートされた。
今年のワールドカップでは、8年ぶりの栄冠獲得を狙うスプリングボックスの背番号10が有力視されている。
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(Photo: Getty Images)