ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)は29日、都内で会見。4年に1度のワールドカップ(イングランド大会・9月18日開幕)に向けた第3次候補メンバーを発表した。南半球最高峰のスーパーラグビーでプレーしていた選手は、7月8日以降に合流の見込み。海外でタフな経験をしてきたメンバーについても、指揮官は見解を示した。日本代表は6日から宮崎で合宿をおこなう。
「1人しか(スーパーラグビーの公式戦で)プレーしていません」
スーパーラグビー組の出場機会が限られていただけに、「フミ(SH田中史朗/ハイランダーズ)はプレーしていませんので、コンディションが把握しづらい。ヘンディー(FLツイ ヘンドリック/レッズ)は20〜30分くらい。ボールキャリーができることはわかりました。他の選手は…」と発言した指揮官。しかしチーフスでレギュラーを獲得したFL/NO8リーチ マイケル主将には、感銘を受けたという。
「リーチは大きく成長しました。しっかりした練習と気持ちで試合に取り組んでいます。彼のディフェンスの質が変わりました。よりよい判断をしていました。効果的なロータックル、ジャッカルのタイミング…。非常に感銘を受けました。(リーチ以外の選手を含め、スーパーラグビー組には)いい態度を(代表チームに)持ち帰ってくれれば。日本は才能を活かせれば、すぐにトップになれる。ただ世界では、才能があるのがスタートライン。そこからハードワークをしなければ…と」
そのスーパーラグビー組は、合流当初は国内で調整する見込みだ。7月中旬からの北米遠征中は、ジョーンズHCが「世界トップのS&Cコーチ」と認めるディーン・ベントン スポットコーチ(国内残留)に体調管理を任せるという。
「(合流のタイミングは)個々の選手たちのコンディション次第です。彼らのフィジカル面は問題ない。ただ精神面はどうか。問題はそこです。ディーン・ベントン(スポットコーチ)が彼らの面倒を見ます。世界トップのS&Cコーチ。もちろん、最初、我々と一緒に過ごしている時(7月6〜11日)はディーンといろいろと話しながら進めます。ただ、ディーンがトップの知識を持ったうえで面倒を見ます。1人ひとりを、試合ができる状態にまで仕上げる。例えば、リーチが疲れていたら、疲れていないようにさせるのが仕事です。選手が必要なものを提供したいと思っています」
スーパーラグビー組に指揮官が求めるのは、「いい態度」。その点については、FL/NO8リーチ主将は以前にこう言っていたものだ。
「日本にいる選手は(世界との意識の差を)知らないだけ。上から言うのではなく、『世界はこういうものなんだよ』と少しずつ教える立場にならなきゃいけないと思います。一番の方法は、自分がいい見本になることです。やる時は集中する。休む時は休む。その繰り返しです」