日本代表のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は6月29日、都内で会見をおこない、開幕まであと81日と迫ったラグビーワールドカップ2015へ向け、日本代表第三次候補選手の39名(FW:21、BK:16、負傷選手:2)を発表した。
第三次候補選手は7月18日から北米で開催されるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)に出場するため、来週月曜日から宮崎市で再開する合宿に参加する。
南半球で開催のスーパーラグビーに挑戦していた6選手も代表スコッドに復帰。今週末に決勝を控えているハイランダーズのSH田中史朗は合流日は未定だが、FL/NO8のリーチ マイケル(チーフス)とツイ ヘンドリック(レッズ)、PR稲垣啓太(レベルズ)は、サントリーのLO真壁伸弥、神戸製鋼のCTBクレイグ・ウィングと同じく、宮崎で7月18日まで別メニュー調整をしてから北米遠征に途中合流する予定。
フォースに加わっていたWTB山田章仁と、ワラターズでの挑戦を終えたユーティリティBK松島幸太朗は、7月6日から宮崎合宿に参加する。
負傷しているNO8アマナキ・レレイ・マフィとCTBマレ・サウはリハビリを続ける。
その一方で、6月の宮崎合宿に参加していた第二次候補選手のうち、PR長江有祐(豊田自動織機)、PRホラニ龍シオアペラトゥー(パナソニック)、HO有田隆平(コカ・コーラ)、SH矢富勇毅(ヤマハ発動機)は外れた。
それについてジョーンズHCは、「矢富は怪我を抱えている。香港戦ではスターターになるも、雨で試合が中止になる不運もあった。そしてまた、しばらくプレーできないと思う。シオアペはハムストリングを痛めていて、いまは胸も痛めている。有田は怪我、長江も過去2年間怪我が続いていた」と説明した。
「パシフィック・ネーションズカップでは、すべての試合に勝ちに行く。チームを成長させるいい機会。ワールドカップでの戦略を探りたい。2011年のPNC、トライネーションズ、ワールドカップで優勝したのは誰だったでしょうか?(それぞれ、日本、オーストラリア、ニュージーランド) だから、PNCは自分たちを磨く場。ワールドカップを目指して、すべての国が準備するのですから、そういった事前大会のパフォーマンスがワールドカップの成功をきめるものではありません」
2003年ワールドカップでオーストラリア代表を決勝に導き、南アフリカ代表のテクニカルアドバイザーとして2007年大会で優勝を遂げた知将は語る。
「そして、そこでは選手たちの競争もある。ワールドカップには31人しかいけない。現状のパフォーマンス、これまでの実績、ワールドカップまでの残りの日々にどれだけ成長できるか。それで決めて行くことになるが、絞り込む日がいつかはまだ決めていない」
今回のPNCに参加する6チームはすべて秋の大舞台に臨む国であり、日本は7月18日にカナダと対戦し、24日にはワールドカップで同組に入るアメリカと前哨戦をおこなう。そして29日にフィジー戦、8月3日に順位決定戦となっている。
意気込みを問われ、ジャパンの指揮官はこう言った。
「カナダはセットプレーを重視してくるチームなので、南アを想定して戦う。フィジーはサモアを想定します。アメリカ戦はポーカーをやるような感じ。手の内を明かすことはない」
<ラグビーワールドカップ2015 日本代表第三次候補選手>
【FW:21名】
・畠山 健介 (サントリーサンゴリアス/63キャップ)
・山下 裕史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/39キャップ)
・平島 久照 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/38キャップ)
・三上 正貴 (東芝ブレイブルーパス/26キャップ)
・垣永 真之介 (サントリーサンゴリアス/3キャップ)
・稲垣 啓太 (パナソニック ワイルドナイツ/2キャップ)
・木津 武士 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/33キャップ)
・堀江 翔太 (パナソニック ワイルドナイツ/32キャップ)
・湯原 祐希 (東芝ブレイブルーパス/20キャップ)
・大野 均 (東芝ブレイブルーパス/87キャップ)
・伊藤 鐘史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/32キャップ)
・真壁 伸弥 (サントリーサンゴリアス/29キャップ)
・宇佐美 和彦 (キヤノンイーグルス/3キャップ)
・トンプソン ルーク (近鉄ライナーズ/53キャップ)
・アイブス ジャスティン(キヤノンイーグルス/27キャップ)
・ツイ ヘンドリック(サントリーサンゴリアス/27キャップ)
・マイケル・ブロードハースト (リコーブラックラムズ/16キャップ)
・ヘイデン・ホップグッド (―/7キャップ)
・村田 毅 (NECグリーンロケッツ/3キャップ)
・ホラニ 龍コリニアシ (パナソニック ワイルドナイツ/39キャップ)
・リーチ マイケル (東芝ブレイブルーパス/38キャップ)
【BK:16名】
・田中 史朗 (パナソニック ワイルドナイツ/44キャップ)
・日和佐 篤 (サントリーサンゴリアス/41キャップ)
・内田 啓介 (パナソニック ワイルドナイツ/10キャップ)
・立川 理道 (クボタスピアーズ/32キャップ)
・田村 優 (NECグリーンロケッツ/30キャップ)
・小野 晃征 (サントリーサンゴリアス/24キャップ)
・山中 亮平 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/3キャップ)
・クレイグ・ウィング (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/7キャップ)
・ティム・ベネット (キヤノンイーグルス/―)
・カーン・ヘスケス (宗像サニックスブルース/6キャップ)
・松島 幸太朗 (サントリーサンゴリアス/6キャップ)
・廣瀬 俊朗 (東芝ブレイブルーパス/26キャップ)
・山田 章仁(パナソニック ワイルドナイツ/11キャップ)
・藤田 慶和 (早稲田大学 4年/22キャップ)
・福岡 堅樹 (筑波大学 4年/13キャップ)
・五郎丸 歩 (ヤマハ発動機ジュビロ/47キャップ)
<負傷選手>
・アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/2キャップ)
・マレ・サウ (ヤマハ発動機ジュビロ/20キャップ)