関東大学オールスターゲームでプレーする帝京大の尾崎晟也(写真中央/撮影:BBM)
帝京大のWTB尾崎晟也が28日、関東大学オールスターゲームに対抗戦選抜の背番号「11」をつけて先発フル出場(東京・秩父宮ラグビー場/●29-33)。イタリアから帰国して間もないなか、「基本を大事に」と先を見据えた。
京都・伏見工高出身。昨季は大学選手権6連覇を果たしたチームで、新人ながらレギュラーに定着した。身長174センチ、体重81キロと決して大柄ではないものの、確かなゲーム理解力に裏打ちされたポジショニングの妙で目立った。相手の死角へ駆け込んでパスをもらい、ゴールラインまでの最短距離を真っ直ぐ駆けようとする。自身も認める。
「ボールのもらい方というのは意識しています」
この日のオールスターでも、キックオフ早々に魅せた。ハーフ線付近からカウンターを狙うSO岩満亮(青山学大・3年)のパスを、左タッチライン際で待つ。受け取るや、相手守備網をひらひらとかわす。もっとも、自己評価は厳しかった。
「日本に帰ってきてはじめての試合。自分のいまのコンディションでベストなパフォーマンスを、と思っていたのですが、自分のなかではいいプレーはできなかったです。ゲーム中のミスが目立った。反省して、次に活かすところだと思います」
この6月は、20歳以下(U20)日本代表として世代間の世界一を目指すワールドラグビーU20チャンピオンシップに出場(イタリア)。この貴重な経験を、かねて国際舞台で活躍したいと話すWTB尾崎は「相手は自分たちよりも大きい。1人ひとりを見ればスキルも高い。そのなかで、自分たちの武器が明確になった」と述懐する。
「僕個人としては、大きい選手に対してのタックルがそれ。ダウンスピード(相手にぶつかる瞬間に体勢を低くする)。これが(上手くいったことは)収穫だったと思います」
世界で戦う際、何を長所とするか。そう聞かれると、「基本スキルを大事にしたい」と即答したのだった。
「自分は特別に身体が大きいわけでも、足が速いわけでもない。ただ、きちっとしたパス、タックルという基本スキルを極めることで、世界と戦っていけるのではないか。そう思っています」
基本とは、ボールをもらう前のポジショニングなども含まれている、とも示唆した。
「海外で一番よく言われていたのが、ボールを持っていない時の動きについて。試合では、ボールを持っていない時間のほうが長かったので。その時間に自分ができることをしっかり考え、実行できるかを考えたいと思います」
――その点は、もともとの得意分野ですね。
切れ長の目。淡々とした口ぶり。
「そうですね。ゲームチャンスを探していくということは、ずっとやってきたので」