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スーパーラグビーデビュー果たしたPR稲垣が帰国 「納得いかない」

2015.06.24

inagaki

稲垣啓太、もっとアグレッシブに(撮影:BBM)

 日本代表2キャップ(国同士の真剣勝負での出場数)を誇るPR稲垣啓太が、南半球最高峰であるスーパーラグビーでの挑戦1年目のシーズンを終え、帰国。23日、国内所属先であるパナソニックの本拠地・群馬県太田市で電話取材に応じた。

 今季はオーストラリアのレベルズに加入し、5月23日には第15節のストーマーズ戦(ケープタウン/●15-31)でデビューを飾った。後半17分から登場し、「(スクラムは)通用した」と話す。

「以前から『使いたい、使いたい』と言ってもらえてはいた。相手のストーマーズはあの日、3番(右プロップ。稲垣の対面にあたる)の1本目(本来のレギュラー)をリザーブに入れていた(ヴィンセント・コッホ)。僕にとっては、そっちの方がよかった。スクラムはチーム内でも評価してもらっているんですが、やっぱり、通用はしました。クラブでもチームの練習でも180センチ、130キロクラスの選手たちと組んできて、その重さには慣れました。…ただ、経験しておいてよかったなと思ったのは接点ですね。いっぱい入ったんですけど、まぁ、(相手が)動かなかったですね。力任せで行くことも大事ですけど、パワーとスキルを上手く使いあわせていかないと、ここではやっていけないと思います。1度(味方のボール保持者が相手の防御に)絡まれたら、日本人がはがすのは難しい」

 もっとも「自分が劣っているという感じは全然なくて、それでも1試合しか出れていない」と結果には不満足だ。「能力はある自信はあるけど、能力を行使できていない。それは腹立たしいことですし、悔しくて、納得がいかないですね」。来季のスーパーラグビーでは日本拠点のチームも編成される。自身の進退を「わからない」としたPR稲垣だが、「この思いを…(晴らしたい)という気持ちもある」と本音も吐露した。

「いくつかオファーは、もらっています。まだちょっと、考える時間もあるので、ゆっくり考えたいです」

 いま注視するのは、秋のワールドカップイングランド大会だ。日本代表へは7月6日からの合流が濃厚か。「向こうでは荒々しくなりました」。貴重な経験をチームに還元したい。

「髪の毛を掴んででも、首を絞めてでも(接点で絡みつく)相手をはがす、と。(スーパーラグビーの舞台では)ずっとそういう環境に身を置いていましたから。(ワールドカップでは)短いスパンで試合が続きますから、いろんなことが想定されます。南アフリカ代表との初戦(9月19日/ブライトン)。ここで最高のパフォーマンスができるかどうか。戦術のことはまだわからないですけど、手堅くやって勝てる相手ではない。結果を残さないと何も意味がないという思いが強いです。だからこそ、1発目の南アフリカ代表戦でどういうパフォーマンスをするかが大事になると思います」

(文:向風見也)

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