南半球で熱戦が繰り広げられてきたスーパーラグビーは、今週末から、負けたら終わりのファイナルシリーズに突入する。プレーオフ1回戦の組み合わせは、南アフリカ地区1位(リーグ総合3位)のストーマーズ×ブランビーズ(同6位)、ハイランダーズ(同4位)×チーフス(同5位)。レギュラーシーズン総合1位(ニュージーランド地区1位)のハリケーンズと、2位通過(オーストラリア地区1位)の前王者ワラターズは、準決勝からの参戦となる。
ハイランダーズとチーフスにはそれぞれ日本代表選手が所属しており、20日にダニーデン(フォーサイスバー・スタジアム)でおこなわれるこのニュージーランド勢対決は、日本のラグビーファンも注目の一戦だ。
両チームは18日、試合登録メンバーを発表。ハイランダーズのSH田中史朗と、チーフスのFL/NO8リーチ マイケルは、ともにベンチスタートとなることが明らかになった。
ハイランダーズは、股関節周辺部を痛めていたオールブラックスのCTBマラカイ・フェキトアが回復して先発出場。肩の負傷で1か月近く戦列を離れていた主将のNO8ナッシー・マヌーもプレーオフに間に合った。ニュージーランド代表の中心選手でもあるSHアーロン・スミスとFBベン・スミス、トライランキング2位タイのWTBワイサケ・ナホロも鍵を握る。3年目の田中は、今季出場した14試合のほとんどでスーパーサブとして安定感あるプレーを続けてきた。ノックアウトステージの緊迫したゲーム終盤でも、堂々と力を発揮するはずだ。
一方、チーフスのリーチは、スーパーラグビーデビューイヤーながら8番を任されることが多く、リーグ戦16試合中12試合に先発出場してきた。そして、チームのルーキー・オブ・ザイヤー賞を受賞。プレーオフ1回戦は、LOを兼任するマイク・フィッツジェラルドにバックローのポジションを奪われたが、ハードワーカーのリーチをベンチに置けるほど戦力が充実している証拠だ。
チーフスのミッドフィールドは、ソニービル・ウィリアムズがいとこのティム・ナナイウィリアムズとコンビを組む。マオリ・オールブラックス主将でもあるCTBチャーリー・ナタイは脳震とうのためこの試合のメンバーから外れた。また、FBトム・マーシャルはひざの故障で欠場するため、20歳のダミアン・マッケンジーがSOからFBに回り、ユーティリティBKのアンドリュー・ホーレルが10番を着る。
敵地ケープタウンに乗り込んでストーマーズに挑むブランビーズは、先週のクルセイダーズ戦と同じメンバー。その試合で頭を打ち、脳震とうが心配されたFLデイヴィッド・ポーコックも先発出場する。彼が後方からドライブするモールの強さがこのチームの武器。足首の故障から復活したばかりのオーストラリア代表SO/CTBマット・トゥームアは、ストーマーズ戦もベンチで待機する。
初優勝をめざすストーマーズは、主将のNO8デュアン・フェルミューレンが首の負傷で欠場となり、昨年南ア代表デビューしたハードタックラーのニザム・カーが8番をつける。キャプテン不在のなか、ブランビーズFLポーコックとの激しいブレイクダウンが予想されるが、そのボール争奪でストーマーズファンの期待を背負うのは、FLのシヤ・コリシとスカルク・バーガーだ。また、トライ数が少ないストーマーズにおいて、SOデメトリ・カトラキリスの安定したゴールキックは勝利への絶対条件となる。