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V6帝京大に早くも次季主将候補? LO飯野は「持ち味の元気を出す」

2015.06.11

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リーダーシップの評価も高い帝京大LO飯野晃司(撮影:松本かおり)

 大学選手権6連覇中である帝京大の選手は、3年生になった途端に「上級生としての態度を見せたい」と口を揃えるようになる。新人には寛大な岩出雅之監督も「特に3、4年は、安定していいプレーをしないとAチーム(主力組)には止まれへんよ」と無形のプレッシャーをかけている。

 そんななか、密かに来季の主将就任を目指しているであろう1人がLO飯野晃司だ。身長189センチ、体重108キロの3年である。今年度の関東大学春季大会(関東大学対抗戦と同リーグ戦の交流リーグ)でも、ここまで全試合に先発。パンチの利いたタックルとブローを重ねる。合間、合間で、甲高い声を張り上げている。

 同学年には、1年時から司令塔を任されてきたSO松田力也もいる。それもあってか、LO飯野はこう言葉を選ぶ。「立場はどうであれ、リーダーシップは取りたい。リーダーシップが取れる選手が何人いてもチームは困らない」。もっとも、部員同士のやりとりに敏感な指揮官は、かねてから「あの学年は松田1本、というわけではないみたいだ」と想像している。帝京大は、学年間の話し合いを経て年度ごとの主将を決めている。

 LO飯野は愛知・三好高出身。高校時代は全国大会未経験も、招待試合で地元へ来ていた岩出監督に素質を見込まれ、帝京大入りを決意した。「元気のよさ」が買われ、1年の春から出場機会を得ることができた。昨季はスーパーサブとしての役割を全うしてきた。ちなみに、人見知りをしたことがないらしい。

「相手も味方も疲れている時、持ち味の元気を出して、しっかり走って…。皆を励ますではないですが、そういう役割を務めていきたいです」

 チームは春季大会のグループAでここまで4連勝中。14日の明大(対抗戦A・昨季3位)戦(静岡・草薙総合運動場)に勝てば、全勝優勝を果たす。5月24日の東海大戦(東京・帝京大グラウンド)を59-19で制した後、LO飯野は好調の理由をこう分析していた。

「我慢するべきところで我慢し切れている。重要なところで反則をしていないので、点数が開く結果になるのだと思います」

 目標は、日本代表LOの大野均や真壁伸弥のような選手だ。

「3年生としてプレーするからには、自分がリーダーシップを取らなきゃいけないと思っています。(4年生と)同じ考え方を持ってプレーしたい。(将来の)イメージは運動量、仕事量がある選手。高いレベルを目指して、全力でやっていきます」

(文:向風見也)

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