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PR転向説も? 早大NO8佐藤穣司、打倒・帝京大に向けサイズアップ成功

2015.05.30

waseda 8 sato

コンタクトで強さを増した早稲田大のNO8佐藤穣司(撮影:松本かおり)

 2008年度以来の大学日本一を目指す早大のNO8佐藤穣司副将は、今春、前年度比で「5〜6キロ」のサイズアップを果たした。

 24日、東京・法大グラウンド。昨季、関東大学対抗戦Aで2位だったチームは、同リーグ戦1部で前年度3位の法大と関東大学春季大会のゲームをおこなった。45-14で快勝後、就任4年目の後藤禎和監督は「ジョージが抜群によかった」と振り返った。

「身体もでかくなって。コンタクトは完全に勝っていた。チームがそういう人間を1人ずつ増やしていきたいなか、リーダーがそれを率先してくれている」

 身長184センチ。一線級のFWにあっては大柄とは言えないながらも、ハイボール処理には定評があった。そんなNO8佐藤副将のサイズアップの背景には、絶対的な王者の存在がある。
 
 大学選手権6連覇中の帝京大は、鍛え上げたフィジカルをベースに常勝集団のポジションを確たるものにした。かねてから早大の後藤監督は、王座奪還に向け「ラグビーはコンタクトスポーツだから」と肉体強化の必要性を訴えてきた。今季はその重要なパートを、昨季まで日本代表を指導した村上貴弘S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチに任せている。

 チーム方針を身体で示す。その思いが、NO8佐藤副将の体躯に現れた。いまは体重を「98キロ」にした本人は、こう指針を明かした。

「いままでは1対1で圧倒されていたのですが、今年はそこで勝負できるレベルになって、プラス、展開ラグビーを目指す」

 劇的な体型の変化に驚いたのが、昨季まで早大にいたWTB荻野岳志(現タマリバクラブ)だ。12日、第56回「YC&AC JAPAN SEVENS」(神奈川・横浜カントリー&アスレチッククラブ)で再開した折、感嘆の声を上げた。

 そこで本人は「PRになるんです」と冗談を言った。

 スクラムを最前列で組む、横幅の求められるポジションへの転向。見た目から、WTB荻野はその話を信じてしまった。会場で「ジョージ、PRやるみたいだよ」と連呼していたものだ。

 NO8佐藤副将は肩をすくめた。

「ふざけて言ったら信じてしまって…。後で『嘘ですよ』と伝えたら、『え! いろんな人に言っちゃったよ』と」

 31日、東京・早大グラウンドで東海大(昨季リーグ戦1部・2位)とぶつかる。帝京大(昨季対抗戦A・1位)とは、同じ場所で6月7日に激突する予定だ。この2連戦におけるコンタクトの局面で、トレーニングの成果を発揮したい。

(文:向風見也)

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