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女子15人制日本代表がアジア初制覇! 来年のW杯予選に大きな弾み

2015.05.23

Champion sakura15

アジア初制覇で新たな歴史を作ったサクラフィフティーン。香港戦勝利後、最高の笑顔(撮影:長岡洋幸)

 サクラフィフティーンが来年開催される女子ラグビーワールドカップ2017予選へ向け、大きな自信を得た。5月23日、香港のアバディーン・スポーツグラウンドで女子アジアチャンピオンシップの最終戦がおこなわれ、女子15人制日本代表は女子香港代表に27-12で勝利。今月9日には福岡で、アジアの頂点に長く君臨してきた女子カザフスタン代表を下しており、2勝0敗で今大会の初優勝を決めた。

 雨を大量に含んだグラウンドの影響で得意のハイテンポラグビーができず、3人がイエローカードをもらうなど規律もよくなかった女子日本代表だが、身体を張り続けて辛抱し、NO8マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェのハットトリックを含む計5トライで接戦をものにした。
 
 序盤から敵陣深くに攻め込むも得点できず、逆に15分、香港にゴール前まで迫られ、PKからの速攻で先制トライを奪われた。しかし24分、FB田坂藍キャプテンの好走で敵陣22メートルラインに近づき、ラック後にパワフルなNO8ボギドゥラウマイナダヴェが突進してFL高野眞希につないで同点とする。

 5-5で迎えた後半、入りが良かった日本はゴール前でチャンスとなり、桜を胸に付けたフィジー出身の背番号8が相手ディフェンダーをなぎ倒して逆転トライを決めた。

 46分(後半6分)と48分、日本は反則により連続でイエローカードをもらってしまう。しかし、13人になりながら敵陣で戦い続け、出足鋭いタックルで香港にゲインを許さなかった。

 58分にキックパスを使われて香港に2トライ目を奪われ、再び追う立場となった日本だが、62分、ラインアウトからのアタックで、またもNO8ボギドゥラウマイナダヴェが豪快に走り切り、ゲームをひっくり返す。

 その後、フォワードからまた1人が10分間の退出を命じられた日本だが、途中出場のフレッシュレッグがチームを活気づけ、74分、23番をつけた伊藤絵美がキックチェイスで相手にプレッシャーをかけてゴール前でチャンスを作ると、 スクラムからNO8ボギドゥラウマイナダヴェが持ち出して香港の防御網をあっさり破り、追加点を挙げた。

 78分にはそのWTB伊藤絵美がカウンターアタックで約60メートル以上を走り切り、勝利を決定づけた。

 ベテランと若手が融合して、アジアチャンピオンになったサクラフィフティーン。次に目指すのは、2017年にアイルランドで開催される第8回女子ラグビーワールドカップだ。来年開催予定のアジア予選で2位以上となり、さらに、南アフリカ、オセアニア地区代表(1チーム)との計4チームによる最終予選で1位か2位になれば、2002年以来、4大会ぶりの出場権獲得となる。

■有水剛志ヘッドコーチ コメント

 第1戦のカザフスタン戦から高校生も含めた新しいメンバーも入り、今日のようなコンディション、アウェイという環境の中で勝てたことはとてもよかった。雨の中、前半はボールを動かしたが、晴れている時のようなプレーをしてしまった。ハーフタイムで選手たちがレフリングの対応、プレー面で自ら修正を話し合い対応してくれたので、後半はシンプルなプレーでリズムに乗ることができた。
 大会前にターゲットにしていた、カザフスタンに勝つこと、チームとしてレベルアップするということはクリアすることができた。今後は2017年の女子ラグビーワールドカップ予選に向けてさらにレベルアップして、予選を突破し、ワールドカップに出場できるよう強化を進めていきたい.

■田坂藍キャプテン コメント

 アウェイの試合の難しさを感じた。ペナルティが多くエリアを取られ続けたが、その中で崩れずに自分たちのラグビーを貫くことができた。フォワードがよく前に出てくれた。シンビンで13人になった時も声をかけあって、動揺せずに戦うことができた。
 チームの結束を感じた。アジアナンバー1になることができ、新しい一歩を踏み出すことができた。これからサクラフィフティーンがもっと上に行けるよう、今日の結果に満足せずに、来年の女子ラグビーワールドカップ2017の予選に向けてさらに強化していきたい。

豪快な走りで3トライを挙げたNO8マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(撮影:長岡洋幸)

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