関東大学対抗戦と同リーグ戦の交流リーグである関東大学春季大会のAグループ(前年度の各団体での上位3校による総当たり戦)では、23日、早大(対抗戦A・2位)が法大(リーグ戦1部・3位)を45-14で制し、戦績を2勝0敗の勝点12とした。7季ぶりの大学日本一を狙うなか、就任4年目の後藤禎和監督は「ウチは少しずつ、少しずつ」と課題も指摘した。31日には、東京・早大グラウンドで東海大(リーグ戦1部・2位)とぶつかる。
今春から、昨季まで日本代表を指導した村上貴弘S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチのもとフィジカルとランニングフォームの改善に取り組む。攻めては前年度の日本選手権王者であるヤマハのフォーマットを参考にしてか、横幅の広い陣形で左右に球を振る。
この日は前半4分、意図通りの攻めで先制する。WTB門田成朗のランで敵陣22メートルエリア左へ進むと、一気に右へと展開。最後はLO桑野詠真のトライなどで7-0とした。ルーキーイヤーから先発する2年のSO横山陽介が、角度のついた攻撃ラインを操る。両翼のWTB門田、WTB本田宗詩は軽やかだった。
結局、33-7とリードしてハーフタイムを迎えた早大だったが、足踏みすることもあった。前半17分には乱れた守備網がPR川地光節の突破を許し、失点(14-7)。後半は敵陣深い位置まで攻め込みながらも、反則やミスで流れを失った。後半16分ごろには、SO横山の自陣からの大きなタッチキックがノーバウンドでタッチラインの外へ出た。蹴った地点の真横での相手ボールラインアウトを与え、約3分後の後半19分には追加点を許した。
「いい時はいいけど、悪い時は悪い。ゲインライン、ビッグタックル…。良くない流れを断ち切るプレーが求められると思います。(タッチキックは大きく)狙っていたんですけど、バランスですね。あそこは確実に(グラウンド内でバウンドさせて)切って、リセットする必要があった」
SO横山が反省するなか、指揮官もこう感想を語った。
「いつでもどこでも攻められる体勢を、と。前半は良かった。ただ、ディフェンスはもっとシャープに出るようにしたかった。その点で、抜群に良かった(副将のNO8佐藤)穣司以外のFWにはもっと頑張って欲しい。ラグビーはコンタクトスポーツ。ぶつかり合いのところで負けたら、どんなスタイルもうまくいかなくなる」
一方、敗れた法大は0勝3敗で勝点0。鋭いタックルとジャッカルで気を吐いたLO吉村公太朗主将は「自分たちが準備してきた前に仕留めるディフェンスは、まだ確立できていない。コミュニケーションの部分(の問題)で前に出られない印象でした」。31日、茨城・たつのこフィールドで流経大(リーグ戦1部・1位)と対戦する。