(Photo: World Rugby / Martin Seras Lima)
ロンドンセブンズ2日目。
前日のプール戦で豪州、ニュージーランドに連敗した時点で、来季のコアチームからの降格が決定。
「残留できないのがわかっていたので、自分たちが今年1年間やってきたことを全部出そう」(瀬川智広ヘッドコーチ)というモチベーションでノックアウトステージに臨んだ日本だったが、ボウル準々決勝のケニア戦では、前日の初戦同様の入りの悪さからペースを失う。
前半だけで4トライを重ねられ、後半、トゥキリ ロテ ダウラアコ、羽野一志のトライで追い上げたものの、12―24で敗れた。
前日のプール戦でもそうだったように、その日の初戦に照準を合わせられない欠点が露呈。今季8回目となるシールドトーナメントへ。
負ければセブンズワールドシリーズのシーズンが終了となるシールド準決勝の相手は、総合成績で日本のひとつ上の14位でコアチームとしての生き残りに成功したポルトガル。
やはり前日同様、朝一での敗戦で目が覚めたのか、日本はコアチームとして生き残るべきだったのは自分たちと主張するかのように、イキイキとしたアタッキングラグビーを披露し続けた。
「『ここで終わるのと、あと1試合するのとどっちがいいんですか』という話をして。トゥイッケナムでプレーできるのに、縮こまっていても仕方ない。キックオフを競る。思い切ってアタック。デフェンスは前に出るところは思い切って前に」(坂井克行主将)
開始24秒でポルトガルに先制トライを許した後、出場停止が解けて、この試合で復帰したレメキ ロマノ ラヴァのトライを皮切りに、前半だけで連続3トライを重ねて逆転。
後半、ポルトガルに追い上げられたものの、前半2トライを奪ったレメキが面白いようにラインブレイクを重ね、フォローしたトゥキリのダメ押し。降格争いのライバルだったポルトガルに一矢を報いるかたちで、シールドファイナルに勝ち上がった。
「相手がいつもあと一歩で勝てないフランスだったのでモチベーションは高かった」(後藤駿弥)はずが、いきなり6分までに3トライを重ねられて0―19とリードを許す厳しい展開に。
それでも、前半終了間際に「アタックしよう。ディフェンスは飛び込まないでタックルする。この2点に絞った」という坂井主将のチャンスメイクからレメキが一矢を報いて折り返すと、後半は再び1分にレメキ、2分にノーホイッスルで藤田慶和という電光石火の連続トライで逆転。
今シーズン何度も同じような展開で競り負けていたフランスに対して、「試合の中でディフェンスで粘れる部分は出てきた」と瀬川HCが手応えを感じていた部分を実証するかたちで逃げ切り。
コアチーム残留は果たせなかったものの、シールド王者としてトゥイッケナムの観衆から受けた祝福の歓声の大きさこそ、チームの成長ぶりを物語っていた。