ラグビーリパブリック

福岡堅樹、地元で3トライ。ジャパン10トライ、66-10で韓国に快勝。

2015.05.09

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3トライを挙げたWTB福岡堅樹。地元・博多で大声援を受けた。
(撮影/早浪章弘)

 午前中まで雨の残った福岡。しかし、キックオフの頃にはレベルファイブスタジアムの芝は輝き、空は青く晴れ渡った。
 66-10。5月9日におこなわれたアジアラグビーチャンピオンシップ2015、日本代表の今季第3戦となる韓国代表戦で、サクラのジャージーが10トライを奪って快勝した。この試合で久々に代表ジャージーを着た地元出身のWTB福岡堅樹が3トライを奪うなど、スタンド(観衆:4583)を沸かせる勝利だった。

 軽快な立ち上がりだった。
 先制点は前半1分過ぎ。ジャパンは敵陣に攻め入ると、CTB田村優が大きなスペースのある左へキックパス。それをWTB福岡がダイレクトで受け、インゴールに飛び込んだ。11分過ぎにはインターセプトから韓国代表にトライ、ゴールを許して7-7と同点に追いつかれるも、その5分後にはWTB藤田慶和がいい働きを見せる。狭いスペースに走り込んで前へ出て、チャンスメイク。そこから始まった攻撃にもう一度顔を出すと、SO立川理道にラストパスを渡して勝ち越しのトライを導いた。
 ジャパンは前半最後の10分にCTBカーン・ヘスケス、FB五郎丸歩、PR畠山健介主将がトライを重ねて31-7とし、31-7のスコアでハーフタイムを迎えた。

 防御が乱れたアウェーでの韓国戦(56-30/4月18日)で始まった今シーズン。5月2日の香港戦では41-0と完封勝利を収め、ジャパンは実戦を重ねるごとにチーム力を高めてきた。ディフェンスで圧倒できるレベルまでにはなっていないが、アジアレベルでは、攻撃の時間を長くすることで試合を支配できている。その流れは、この日も同じだった。
 アタック時のコミュニケーションは密になってきた。バリエーションも増えた。後半は9分にPGを決められるも、すぐに相手反則から得た敵陣深くでのモールを押し切ってトライを追加。そしてラスト20分に、さらにギアを上げた。
 CTBヘスケスがインターセプトから走り切り(ゴールも決まって)45-10とすると、24分にWTB福岡が長い距離を走り切り、32分にLOルーク・トンプソンがねじ込み、最後は三たび福岡がトライラインを切り裂いた。

 試合後の会見で、エディー・ジョーンズ 日本代表ヘッドコーチは、こう話した。
「非常にいいゲームだった。選手たちの頑張り、努力に非常に感心している。コンディション的に言えば90%ほどだが、前半にいいプレーがあった。判断もよかった。戦術的にいろいろ試し、いい形で追われたと思います。
 今日は若手の選手がよく頑張りました。宇佐美(和彦/LO)は80分間プレーすることができたし、村田(毅/FL)もいいプレーがあった。ケンキ(福岡)の復帰を非常に嬉しく思う。けれどもケンキと藤田はディフェンスでまだまだ成長していかなければならないですね。唯一残念だったのはその点。キャプテンもよく頑張ってくれました。
 今日は態度を重視していました。試合前にも言いましたが、W杯でも、最初のゲームは100%で迎えたとしても、そのあとは必ずしも100%でできるという保証はない。なので100%ではなくても戦い続けなければいけないということを選手たちには言いました。今日の試合というのは過去3年を見ても、疲労面で言うと、一番疲労がたまった状態だったといえる。でもそのコンディションのなかでもしっかり戦ってくれたことに感謝しています。ハーフタイムのあと、10分くらいで疲れが見えパフォーマンスが低下した部分があったが、リザーブが出てきたその精度を上げてくれた。リザーブの仕事をまっとうしてくれた」

 指揮官は、外国人記者からの「非常にハッピーな結果だといっているが、W杯に向けて相手の国に対して手の内を見せすぎじゃないか」との質問にこう答えた。
「そうは思わない。南アが日本×韓国をそこまで重要視して見るとは思わない。まだまだルーズなゲームプランで挑んでいる。いろいろ試しているところ。いろんなバリエーションを試合で使い、試行錯誤しているところ。そこらへんをW杯へ向けて整理していきたい」
 畠山主将も言った。
「今週はかなり強度が高い練習をした。木曜日もかなり強度が高い練習をして、移動して、試合に臨むという機会はこの3年間であまり記憶にない。エディーさんが言う通り、かなりタフなコンディションで試合に臨んだ。そのなかでよかった部分もかなりあったと思う。そういう意味でも、選手をとても誇りに思う」
 ジャパンはこの試合の勝利で3戦全勝、勝点を 18に。香港とのアウェーゲーム(5月23日)を残しているが、アジアラグビーチャンピオンシップ2015の優勝を決めた。

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