(撮影/松本かおり)
関東大学対抗戦Aで昨季2位の早大は、5月5日、関東大学春季大会の初陣に挑んだ。前年度の同リーグ戦1部を制した流経大との一戦を35-34と制するも、佐藤穣司副将は「僕自身、うまくまとめられなくて…」と反省していた(東京・秩父宮ラグビー場)。
大学選手権6連覇中の帝京大をターゲットとし、身体作りと攻めの独自性を求める早大。新チームにとって初の公式戦で、その一端を覗かせはした。
自陣から攻める。深く幅広いラインを敷き、SO浅見晋吾が多方面にパスを散らす。そのうちに生まれたひずみを、ランナーが束となって突く。その形を貫き、序盤の6分で14-0とリードを奪った。
囮役の後ろから飛び出したWTB門田成朗は、まっすぐ飛び出してくる相手守備網を何度もかわした。前半終了間際、そのWTB門田がこの日2トライ目を奪った。35-12でハーフタイムを迎えた。
しかし、後半は流れが変わった。
17分、自陣から攻めあがる早大の攻撃ラインを、流経大のタックルが襲う。ターンオーバーから球をゆさぶり、最後はSH黒木大貴がインゴールへ飛び込んだ。35-27。34分には右タッチライン際をHO中村篤郎が駆け抜け、1点差に追い上げた。
惜敗の内山達二監督は、「前半は硬かったのか、ミスが続いた。最初から後半のように戦っていれば。後半のディフェンスでは、やってきたことが出た」。初戦の白星で春季大会の勝ち点を2とし、5月9日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で明大(対抗戦3位)とぶつかる。
一方、早大の後藤禎和監督は「トライ数は負け(5本対6本)。実質、負けだと反省しています」と淡々と振り返った。1勝0敗で勝ち点を6とし、5月23日にはここまで2戦全敗の法大(リーグ戦3位)とぶつかる。指揮官はこうも続けた。
「前半、アタックに関していいシーンがあった。ただ、後半になると相手のディフェンスがこちらに対応してきて、我々は逆に、そこへの対応に後手を踏んだ。無理攻めしたところをあおられて、ターンオーバーを許して…と。まだまだ若いチーム。判断力を1年間かけて磨こうとしています」