(撮影/見明亨徳)
第4回関東大学春季大会のグループC、拓殖大×日本体育大が5月3日、拓大グラウンドでおこなわれた。2013年度に下部リーグに転落したものの、1年でリーグ戦1部と対抗戦Aに復帰した同士の対戦。前半からセットプレー、ブレイクダウンで制した拓大が65-28(前半22-7)で勝ち、今季初戦で1勝目を挙げた。日体大は1勝1敗(前戦は明学大に50-21で勝利)。
試合前、拓大・遠藤隆夫監督が「今日はブレイクダウンでどれだけできるかにポイントを置きたい。去年、下のリーグで試合をして適当なままでも勝てていた。上はそうはいかない。今年はセットプレーを強くしてボールを大きく動かすラグビーをする」と話した。
拓大は、その通りにプレーした。前半開始のキックオフ。蹴り上げた直後にボールを奪うと右へ展開。SO林謙太(3年/日大高)がノーホイッスルでトライを奪った。15分には日体大ゴール前のラインアウトをモールで押し込み、FL石田浩洋(2年/正智深谷)がインゴールへ持ち込んで2トライ目。30分には左ラインアウトから右へ回し、この日ペネトレーターとして鋭い突破を見せた韓国出身のCTB13具智允(グ・ジユン/4年/日本文理)がトライを奪った。
日体大も0-22と大きくリードされた前半終了間際、拓大スクラムから出たパスをSH溝口優太(4年/大分舞鶴)がインターセプト、60メートルを走ってトライを決めた。しかし、後半も拓大の勢いは衰えなかった。
キックオフのボールを確保した拓大は、NO8シオネ・ラベマイ(2年/セントビーズ)が右ライン際を走り切り、前半に続くノーホイッスルトライで加点した。そして、遠藤監督が期待していたプレーからのトライは11分。日体大ゴール前ラインアウトからモール、ラックで攻め続け、最後はPR堀圭介(4年/目黒学院)がトライラインを越えた。その後もラベマイは2トライを奪いハットトリックを達成。チームは後半だけで7トライを決め、計11トライ、65点を挙げた。遠藤監督は「練習でやってきたことができた。しかし集中力の途切れることなど課題もあった」と振り返った。
日体大は後半にNO8深津賢登(3年/東福岡)が勘のいいランで拓大ディフェンスの穴を突き、2トライしたが、そこまでだった。秋廣秀一ヘッドコーチは「今日はディフェンスだけを求めた。1月から3月までフィットネスや筋力トレーニングだけおこなってきた。4月に入りやっとディフェンスを始めたが、個人レベルの段階。組織ディフェンスやアタックはこれから。春季大会はセレクションとして位置づけ、部内競争や気持ちにハングリーさを求めていく」と、大敗も秋のスタートのための一段階と考えている。
この春から母校に戻った田沼広之氏は「学生たちはいろんなことを学ぶ姿勢をもっていてやりがいがある。学生のレベルの差があるが、そこを埋めてあげることをやっていきたい」と話した。元リコーで日本代表と活躍した同コーチは、部員たちに大きな刺激を与えそうだ。
「今日の試合はディフェンスをしっかりして欲しかったが、1人目のタックルがまだまだ」
そう修正点をあげた。手腕が期待される。