南半球最高峰であるスーパーラグビーのフォース(オーストラリア)に在籍するWTB山田章仁が2日、ラグビー日本代表としての今季初陣に挑む。東京・秩父宮ラグビー場でのアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)の香港代表戦に背番号11をつけて先発。4年に1度のワールドカップ(W杯・イングランド)を9月に控え、こう意気込む。
「W杯に出ることはもちろんですけど、W杯で活躍できるようになりたい」
4月下旬の約1週間、日本代表の宮崎合宿へ合流。フォースの試合出場メンバーがニュージーランド遠征をおこなうなか、出番を得られぬWTB山田は「代表で、しっかりとトレーニングをしたい」と考えたのだ。帰国するや、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(HC)と面談。話し合いの末、もともと4月30日だった離日のスケジュールを後ろ倒しにした。
5月1日、試合会場での前日練習後。報道陣の前に現れ、ハードワークを誓うのだった。
「とりあえずチャンスをいただけたので、がんばるだけ。トライを取る。ボールを持ってしっかりと走る。それがWTBの仕事ですので。(ジョーンズHCが)使いたくなるようなプレーをしたいです。(もっとも意識するのは)ボールタッチ、ですね。ボールをもらえるように、走ります」
3日にはパースへ戻る。フォースの本拠地だ。再びスーパーラグビーデビューに挑むWTB山田は、「(周りとの)特に大きな力の差は感じない」。しかし、公式戦には出られない…。このジレンマを「しょうがないです」と受け入れている。
「月曜日(4日)からしっかりと練習する。やれる自信はあるので、チャンスが回ってきた時にはしっかりと。焦って試合に出れたら焦るんですけど、なかなかそういうものでもなさそうなので。やれることをしっかりやって、その時を待ちたいですね」
日本代表の首脳陣から渡されたスピード強化トレーニングや、フォースの首脳陣に作成を頼んだ特別メニューをこなす。淡々と心身を整える。