ラグビーリパブリック

ジャパン代理主将の畠山、W杯イヤー国内初戦で「W杯にふさわしいプレーを」

2015.04.30

hatakeyama

香港戦に向けて意気込みを語った畠山健介(撮影:松本かおり)

 4年に1度のワールドカップ(W杯・イングランド)を9月に控えたラグビー日本代表は、5月2日、東京・秩父宮ラグビー場でアジアラグビーチャンピオンシップ(ARC)の香港代表戦に挑む。これが今季の国内初戦となる。

 PR畠山健介代理主将は、出場すれば国内歴代5位タイの62キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を記録。現在はスーパーラグビー(南半球最高峰リーグ)のチーフスでプレーするFL/NO8リーチ マイケル主将の代わりに、重責を担う。「試合で23人がいいパフォーマンスを出せるように、リーダーとしての役割、選手としての役割をしっかり果たしたい」と意気込んでいる。

 4月30日、都内でのメンバー発表会見に出席。マイクを通し、しゃがれた声を通した。「…すみません、こんな声で」。週末への意気込みを問われ、咳払いをしながらこんな談話を残した。

「試合でも、こうやって声を枯らしていきたいと思います…」

 身長178センチ、体重115キロ。国際レベルの舞台で戦う右PRにあっては小柄かつ軽量だが、FL/NO8リーチ主将からは「彼が、一番、練習や試合で力になっている」と信頼される。「強いチームがだんまりしているということは、ありえない」。所属先であるサントリーの元監督だったエディー・ジョーンズ ヘッドコーチの攻撃スタイルを熟知し、プレー中はその理解を前提とした指示を出し続ける。

「ホーム初戦。メンバーに選ばれた23名は、W杯にふさわしいプレーをしてくれると信じています。僕もゲーム主将という立場ですが、そういう意識よりもW杯にふさわしいタイトヘッド(右PR)としてのプレーを…少し、練習で声を出しすぎてしまって…」

 18日、仁川で韓国代表とおこなったARC初戦では56-30と勝利も不満足な内容に終わっている。この日の反省と次戦への展望を問われ、こう結ぶ。

「すべての試合とプレーを完璧にするのは、難しい。ただ、僕たちの求められているプレーは完璧にしようと、リーダーで話し合いました。試合では予測できないことが起きる。それに対し、リーダーとしてアプローチするのは僕たちの役割となる」

 命題を「W杯にふさわしいタイトヘッドとしてのプレー」とする一方で、試合のマネジメントにも神経を注ぐ。宣言どおり、声を枯らしたい。

(文:向風見也)

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