大東文化大のWTBホセア サウマキ(撮影:松本かおり)
1980年代後半の関東大学リーグ戦1部で「トンガ人旋風」とされる潮流を作った大東大は、今季も隆盛期の文化にのっとったチーム構成で戦う。
「1、2年目はフィットネス重視。だいぶ、走れるようになった。ただ、上と戦うのに力負けするところがあったので」
これまでの歩みを振り返り、青柳勝彦監督はこう展望する。過去、3度の大学日本一に輝いた鏡保幸元監督(現特別顧問)に招聘されて3季目。ウェイトトレーニングでの筋力強化を本格的なチーム課題に掲げるようにした。3月は午後に、新学期開始後は「早朝、授業が始まる時間まで」と「全体練習後」に、全員がジムに集うようになった。
トンガ人留学生の突破力は、相手に脅威を与える。
身長187センチ、体重100キロのWTBホセア サウマキは3年目を迎え、「皆がレベルアップしている」。毎朝、7時ごろ起床。
双子のきょうだいであるLO/NO8タラウとともに入部したNO8アマト・ファカタヴァは、ニュージーランドのティマルボーイズ高時代はプロの誘いも受けたランナーだ。現地視察した指揮官も、その時の印象をこう語っていた。
「WTBとして試合に出ていたんですけど、自陣から独走してトライ…。こりゃあ、すごいなと」
86、88年度に日本一となった際に活躍したNO8シナリ・ラトゥの息子、CTBクロンフェルド・ウィリアム・クールガー・ラトゥ(日本国籍取得済)が故障から復帰すれば、彩りのある陣容が見られそうだ。
チームは5月3日、関東大学春季大会の初戦に挑む。茨城・筑波大学ラグビー場で筑波大と対戦する。
(文:向風見也)