紙一重の攻防が見られた(撮影:高塩隆)
第16回全国高校選抜大会は4月6日、大会6日目の準決勝2試合が行われ、大阪桐蔭、東海大仰星(大阪)が決勝進出を果たした。両校の全国選抜大会での対戦は2年前の決勝戦以来となる。
第1試合は11時開始。すでに汗ばむような天候にも、大阪桐蔭、流経大柏(千葉)ともに、得点パターンの展開勝負を貫く。前半は流経大柏が先制したが、その後やや消極的になる時間帯が増えると、大阪桐蔭が素早く圧力をかけてミスにつけ込んだ。22-14と大阪桐蔭がリードして迎えた後半20分、流経大柏はSO中川彪流がトライを挙げて(ゴール成功)1点差に詰め寄る。しかし、大阪桐蔭はラインアウトのこぼれ球に素早く反応したSH杉山優平がインゴールに飛び込みリードを広げると、29分にはPGを追加して逃げ切った(30-26)。
「予選リーグから厳しい相手ばかりで疲れていると思いますが、いい経験をしています。(決勝は)がむしゃらに展開して、持ち味を出したい」と大阪桐蔭・綾部正史監督。
第2試合は、お互いをよく知る間柄、東海大仰星×常翔学園(大阪)。「近畿大会の結果(準決勝 ○33-8)は忘れろ」と送り出したのは東海大仰星・湯浅大智監督。後半途中まで行方の分からない展開だったが、終始主導権を握った東海大仰星。前半はWTB中孝祐が2本のトライを挙げて12-7とリードすると、後半の立ち上がりにもLO横井達郎がタイミングよく抜け出して17-7。ただ、ここから試合はこう着。個々が高い能力を秘めるだけに、1トライがきっかけになると思われたが、東海大仰星は冷静に組織で守り抜いた(36-7)。
「選手たち、もちろん私も悔しいです。が、これを経験して強くなっていくはず。できなかったことは必ず練習で解決できるので」と常翔学園・野上友一監督。
2年ぶりの大阪対決となった決勝戦。決して大きくないチーム同士だが、攻守に自分たちの方法論を持つ。体力的にも厳しい状況下での試合に対して、いかに集中力を保ち、自分たちのゲームに持ち込めるか。ともに昨年度の花園で悔しい負けを喫したチーム。再出発してわずか3か月だが、ここまでの道程が正しいことを証明している。