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【香港セブンズ現地リポ】 分析された日本 東京セブンズは登録選手も焦点に

2015.03.30

JPN vs KEN

ケニア戦での坂井克行主将。東京セブンズではトップ8入りを目指す(撮影:高塩隆)

 今季セブンズワールドシリーズ第6ラウンドの香港セブンズ最終日(29日)。日本代表はベルギーに勝ってシールド決勝に進出したが、決勝でケニアに4トライを奪われ、7-26で敗退した。今回のシリーズ獲得ポイントは2で、計7点。自動降格を巡るライバルのポルトガルはポイント1で、計22点となり、香港大会では1ポイント差を縮めるにとどまった。
 
 ケニアとの試合内容は数字に表れた。タックル成功率は日本が66%、ケニアが70%。どちらも低かったが、ミスの数は日本7に対しケニアは3。パス回数は日本37回、ケニアが28回。パス回数をトライ数で割った「ストライク・レイト」では、ケニアがパス7本で1トライを挙げたのに対し、日本は37回パスをして1トライ。ボールをつなぎながら、ミスでチャンスをつぶしたことがわかる。

 瀬川智広ヘッドコーチは「このレベルではミスが起きては勝てない。改めて痛感してます」と振り返った。来週の東京セブンズまで時間はないが、「もう1回、チームとしてやるべきことを整理する。今回、結果は出なかったけれど、一番の成果は失点が少なかったこと。大味な試合でとれた得点が競った試合ではとれない。僕らのミスで終わってるので、もっと継続の意識を高めていきたい」と語った。

 昨年の香港大会では下部トーナメントで優勝してコアチーム入りを果たした。今回、結果は伴わなかったが、「1年前より確実に成長している」。違うのは、自分たちが分析されていることだ。
「これまで僕らのことを知らなかったのが、桑水流(裕策)のところに1度もキックを蹴ってこないし、ロマノ(レメキ)のカットインも確実にわかっている。キーマンは誰かを他のチームも分析している」

 それでも「今やっていることを大きく変えることはしません。どのチームにも魔法はない。あるとすれば、60メートルを走り切れる選手が出てくること」。これまで続けてきたことを一歩一歩積み重ねていくしかない。

 焦点は東京セブンズの登録メンバー。今回登録した12人のうち、ヒーナン ダニエルは初戦で負傷しすでに帰国。山下楽平もヒザの調子が悪く、ケニア戦は出場を見送った。松井千士も手を負傷、ケニア戦は無理を押しての出場だった。
 東京セブンズは今回のメンバーに、大会前に帰国した豊島翔平らスコッド5名に、ニュージーランド留学を終え東京で合流する藤田慶和が候補となる。
「選手の入替が必要なところと、検査(の結果)を待って考えるところがあります。松井、山下の様子を見て、同じポジションである豊島、藤田を考えることになります。藤田とは2か月ほど会ってないので、まずは状態を見たい。構想はありますが、メンバー発表まで時間はあるので考えたい」(瀬川HC)
 今回で最後となる東京セブンズ。これまで積み重ねてきたものをホームで出し切りたい。

(文:森本優子)

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