(甲子園で応援団長を務める松山東高校ラグビー部の石村響主将)
甲子園球場で開催されている第87回選抜高校野球大会。3月25日には82年ぶりの出場で、21世紀枠の松山東高校(愛媛)が登場した。同校は二松学舎大付(東京)に5-4で競り勝ち、見守るファンを沸かせたが、大勢のOB、関係者、在校生が詰めかけたスタンドで応援団長を務めたのはラグビー部で主将を務める石村響だった。
俳人、正岡子規の母校でもある松山東。同校が旧制松山中だった時代には、子規の朋友である夏目漱石が英語教員として赴任したことがあり、当時の経験を題材に小説『坊ちゃん』を書いた。その漱石は二松学舎大付の原点である『漢学塾二松学舎』で少年時代に学んだことがある。そんな背景もあって注目された一戦。石村は大声を出し、きびきびした態度で応援をリードし続けた。
かつては松山東にも応援部があったが、十数年前には廃部になり、現在は夏の野球応援時などには2年生を中心に応援団を結成して対応している。これまでラグビー部からも多く応援団に参加しており、石村が団長に指名されていた。
大役を務め、さらに勝利も得て笑顔の団長は言った。
「スタンドが一帯となって選手の後押しができました。それが結果に結びついてよかった。とても白熱した好ゲームで、ノーサイドの精神ではないが、二松学舎大付に感謝したいですね。松山東高ラグビー部は野球部同様、伝統のある部です。僕らも負けないように頑張っていきたい。2回戦もがんばっていきましょい」