ラグビー日本代表で歴代最多の87キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を誇る東芝のLO大野均。オフ期間のいまは「いくつかのお疲れ様会」に顔を出しつつ、シーズン中に痛めた股関節のケアに時間を割く。目指すは、4年に1度のワールドカップ(W杯)への3度目の出場だ。
21日、スポーツ専門チャンネル「J SPORTS」の都内スタジオである。シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦/6N)のスコットランド代表×アイルランド代表戦(マレーフィールド)のゲスト解説を務めた。
試合はアイルランド代表がスコットランド代表を40-10で制し、2連覇を達成した。アイルランド代表では101キャップ目となるLOポール・オコンネル主将が、35歳ながらフル出場。同じポジションのベテランのさまを眼に刻んだ36歳のLO大野は、カメラの前で「刺激を受けた」と話した。もちろん、敗れたスコットランド代表にも視線を向ける。9月にイングランドでおこなわれるW杯で、ジャパンと戦うからだ。
「全敗はしているけど、ここにきて調子は上がっていると思います。W杯へ向けて、確実に仕上げてくる。(LOの)タックルの仕事量はすごい。それに負けないようにしたい」
遡って8日、岐阜メモリアルセンター 長良川競技場で、日本最高峰ラグビートップリーグのオールスター戦に先発出場した。もっとも、プレーしたのは最初の5分のみだ。酒仙で知られる本人は「前日に酒を飲みすぎて代えられた、と言われていますが」と苦笑したが、実際は、体調を鑑みてのことだった。
「いまは股関節の怪我持ち。その辺、エディー(ジョーンズ/日本代表ヘッドコーチ)さんがナーバスになっているから、と」
ジョーンズ ヘッドコーチは以前、「キンちゃん(LO大野の愛称)にはW杯の準々決勝で100キャップを」と話したことがある。