イングランド最高峰リーグのプレミアシップに属する12チームと、プロ12を主戦場とするウェールズの4チームが一緒に競う「アングロ・ウェルシュカップ(LVカップ)」の決勝が、現地時間22日にノーサンプトンでおこなわれ、サラセンズがエクセター・チーフスとのイングランド勢対決を23-20で制し、初優勝した。イングランドのクラブチームのみでおこなわれていた頃のテトリーズビターカップを含めると、17年ぶりの栄冠獲得である。
プレミアシップ、欧州タイトルを含めて今季3冠を狙えるチーム同士の対決。昨年のLVカップ覇者であるエクセターが終盤に追い上げ、勝負はフルタイムまでもつれる熱戦となった。
試合が大きく動き出したのは44分(後半4分)だった。3-6で追っていたサラセンズのWTBデイヴィッド・ストレットルが相手パスをカットして独走し、逆転した。49分にはSHベン・スペンサーがゴール前左に絶妙なキックパスを放ち、すばやく反応したストレットルが連続トライ。サラセンズは61分にも、SHスペンサーがキックを使ったビッグゲインでチャンスを作り、FWがゴール前で突進を繰り返して追加点、20-6とリードを広げた
しかし、スクラムで優勢だったエクセターは終盤に粘りを見せる。67分に相手HOがイエローカードをもらい10分間の一時退出となった直後、トライを挙げて7点差とする。77分には、防御網を切り裂いてインゴールに腕を伸ばしたFBマックス・ボディリーのグラウンディングが認められ、コンバージョンも決まって20-20の同点に追いついた。
このまま延長戦に突入するかと思われたが、しかし、フルタイムまで30秒を切った場面でエクセターは痛恨の反則を犯し、サラセンズのSHスペンサーがPGを決め、劇的なフィナーレとなった。
サラセンズは現在、プレミアシップで3位につけ、ヨーロピアン・チャンピオンズカップでは準々決勝進出を決めている。初のビッグタイトル3冠達成の可能性は十分ある。