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「ご希望の答えとは違うかもしれませんが」 ジャパン畠山、W杯に思うこと

2015.03.22

Hatakeyama

日本代表PRのなかで最も経験豊富な畠山健介(撮影:松本かおり)

 4年に1度のワールドカップ(W杯)を9月に控えるラグビー日本代表は、4月6日から宮崎で合宿を始める。前回大会に続き2度目の出場を狙うPR畠山健介は、「W杯に出たいというのがいまの目標」と決意を明かす。

 身長178センチ、体重115キロ。国際舞台のフロントローにあっては小柄も、機動力とコミュニケーション力を長所とする。ここまで、60キャップ(国同士の真剣勝負)を獲得してきた。エディー・ジョーンズ ヘッドコーチが率いて4年目の現体制下では、リーダーシップメンバーの一員だ。

「常に、ジャパンの選手にふさわしい心づもりでいる」

 いま、指揮官からは、「フロントローはさらに背筋を鍛えなければ」などと、さらなるパワーアップを求められている。3月上旬のメディカル合宿では、その強化計画を把握したという。

「どこまで言っていいかはわからないですが、目的と、それに向けた方法論を提示された。春合宿にすんなり入っていけるように、各自で意識高くやってくれと言われました。『将来的には、これ(トレーニングの種目)をここの数値(重量など)、回数でできればいいね』などと、具体的に落とし込めた。有意義な準備期間でした」

 宮城県気仙沼市出身。2011年3月11日の東日本大震災で、地元は甚大な被害を受けた。しかし公式の場では、当事者としての意見発信は控えている。

 2014年3月8日、岐阜メモリアルセンター 長良川競技場。日本最高峰であるトップリーグ(TL)のオールスター戦の直後だった。試合の目的の1つだった復興支援について問われた折、ひと呼吸、置いた。話題に挙げたのは、2019年のW杯日本大会もおこなわれる岩手・釜石市のことだった。

「W杯(2019年)が釜石でもある。課題はあるかと思うんですが、来年以降、釜石でチャリティーマッチや催しごとができればいい、と。開催のアピールにもなりますし。協会関係者、キャプテン会議(社会貢献活動などのために作られたTLの選手による集団)と意見を出し合って、直接、被災地にラグビーを通じて何かをすることにつながれば。ご希望の答えとは違うかもしれませんが、そういった思いをいまは持っています」

 秋のイングランドでの大一番は、30歳で迎える。2019年への意欲は。こう、結んだ。

「正直、2015年に全てが決まると思う」

(文:向 風見也)

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