高校の第66回近畿大会は21日、滋賀県野洲市の希望ヶ丘文化公園球技場で準々決勝4試合がおこなわれ、東海大仰星、天理、常翔学園、大阪朝高が準決勝に進出した。
同時にこの4チームと天理に惜敗も近畿高体連ラグビー専門部の推薦を受けた大阪桐蔭の計5チームが、今月30日開幕の第16回全国高校選抜大会(埼玉・熊谷ラグビー場)への出場権を手に入れた。
【準々決勝】
・東海大仰星(大阪) 41−8 御所実(奈良)
・天理(奈良) 22−12 大阪桐蔭(大阪)
・常翔学園(大阪) 31−19 関西学院(兵庫)
・大阪朝高(大阪) 10−5 京都成章(京都)
第1試合では1月の第94回全国高校大会で8強だった仰星と同準優勝の御所実が対戦した。仰星は前半9分、敵陣ゴール前のラックからFLの眞野泰地が左サイドを突き先制トライ。同21、25分にはWTB中孝祐が連続トライを挙げ有利にゲームを進めた。
御所実は得意のモールで仰星ゴール前まで攻め込むが、前半19分にはノット・リリース・ザ・ボール、同28分にはノックオンなどミスで流れに乗れなかった。
湯浅大智監督はジョークを交えて笑う。
「勝ててホッとしました。選手たちはよくやってくれた。負けていたら、選抜大会のホテルもバスもお土産もキャンセルしなければなりませんでしたから」
第2試合は天理が前半3、20分、そして後半25分と3トライをモールで挙げた。天理のモールは縦長の3段に組み、ボールから相手を遠ざける典型的な形。日頃の鍛練が垣間見られた。
松隈孝照監督は自信をのぞかせる。
「モールにはこだわりがあります」
大阪桐蔭は昨年からレギュラーのWTB新居良介が小気味よいスワーブで後半11、28分と連続してインゴールを陥れたが、レフェリングとの相性などもあって、及ばなかった。
第3試合、常翔は後半23分、関学にトライを許し26−19と1トライ1ゴール差に詰め寄られる。しかし、同27分、LO辻惇朗が敵陣ゴール前のラックから、インゴールにダイブして試合を決めた。
野上友一監督は淡々と話す。
「もっとやれると思うけど、今日はあんなもんかな。勝って選抜出場を決められてよかったです」
一方、敗れたとはいえ、関学の展開指向は将来性を感じさせた。
第4試合は前半0−0の同点で終了。後半7分、大阪朝高は得意のモールを押し込んで先制する。PGで加点して、成章の追撃を1トライに封じた。成章は前半の中盤以降、再三朝高ゴール前を脅かしたが、外側から判断よく詰める朝高ディフェンスを崩せなかった。
呉英吉(お・よんぎる)監督は試合を振り返りながら先を見据える。
「前半をよくしのいでくれました。ここまで来たら次の天理に勝って、初めての決勝に出たいですね」
準決勝2試合、大阪朝高×天理、常翔学園×東海大仰星は23日、同球技場で午後1時、同2時20分キックオフでおこなわれる。