「8月31日にワールドカップのメンバーを発表する。それまでのスコッドは進化していくもの。メンバーも自然の流れで、変化していく」
日本代表のエディー・ジョーンズ ヘッドコーチは5日、6か月後に迫ったラグビーワールドカップ2015(イングランド大会/9月18日〜10月31日)へ向け、日本代表第二次候補選手を発表した。会見で、「ワールドカップへの旅がいよいよ本当に始まる」と語った指揮官。候補選手たちの現状とセレクションについて詳しく説明した。
HO堀江翔太(パナソニック)、LO真壁伸弥(サントリー)、NO8アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)、SO小野晃征(サントリー)は負傷者リストに名を連ね、南半球スーパーラグビーに参加しているPR稲垣啓太(パナソニック/レベルズ)、FL/NO8リーチ マイケル(東芝/チーフス)、FL/NO8ツイ ヘンドリック(サントリー/レッズ)、SH田中史朗 (パナソニック/ハイランダーズ)、CTB/WTB松島幸太朗(サントリー/ワラターズ)、WTB山田章仁(パナソニック/フォース)は選考対象外となった。
「堀江は首の手術を終えたところ。真壁は重いハムストリングの怪我。アマナキはNTTコムの試合で怪我したが、メディカルチェックを受けていい方向に進んでいるのがわかったから入った。小野も首の怪我だ。4人は、回復の状況を見て参加時期を決めていく」
「ラグビーの試合で、いい選手を選ぶのは難しいことではない。いいプレーをした選手を選べばよい。このスコッドにいる選手たちは、これまでの見せるべき所で見せてきた人たち。ただ、1番から15番まで、誰も保証されている人はいない。昨日HB団と話をしましたが、それぞれにいいところがあるのは分かっている。ただ、スーパーラグビーからフミ(田中史朗)らが帰ってきたときに、彼らと争えるようになっておくことが、いま選ばれている選手たちの仕事」
1月5日に発表された第一次候補選手は全員、サバイバルに残る。今年6月1日に日本代表資格取得予定のCTBティム・ベネット(キヤノン)も合宿に帯同することが決まった。
「まだ資格のないベネットが入っているのは、直さなければならないところがあるので、いまのうちから取り組んでほしいので呼んでいる。いいボールランナー。マレ(サウ)のいいバックアップ候補。セレクションでは、『これまで』、『現在』、そして『これからのポテンシャル』を見て決めます。そしてコーチの感覚も大事。例えばクレイグ・ウィング。ああいう選手は特に南アフリカ戦で必要となる。ウエールズに勝ったとき、彼は素晴らしかった。そして彼はいま、ベストの状態にある。そういう理由で選びました。(ジャスティン)アイブスも同じです。シオアペ(ホラニ龍シオアペラトゥー)については、怪我をしがちでリスクはありますが、これ以上悪くなることはない。メディカルスタッフとも連係しながら向上させていきたい。タイトヘッドPRはとても重要なので、厚くしておきたい」
新しくリスト入りした選手はいない。2014年に日本国籍を取得し、オリンピックイベントに伴う資格申請が認められてセブンズ日本代表入りした元オーストラリア代表のLO/FLヒーナン ダニエル(パナソニック)は、今回は選出されなかった。
「ヒーナンは、まだ15人制は資格がない。セブンズで(15人制代表資格を得るための)4トーナメントの経験を終え、さらにその時点でベストプレーヤーであり続けたならば、選ばれる可能性はある」
「1月の第一次候補から新しい選手が入らなかったのには理由がある。新しくスコッドに入るというのは、選手たちが自ら手を挙げることから始まる。こちらがコントロールするものではない。手を挙げた選手の中から、そのとき力がある者、この先にポテンシャルがある選手が選ばれる」
第二次候補選手は4月6日から宮崎市で合宿をおこない、同月18日より開幕するアジアラグビーチャンピオンシップ(韓国代表、香港代表とホーム&アウェイの計4戦)に出場する。
「アジアラグビーチャンピオンシップは勝ちに行く。我々にとっては練習も非常に大事な時間となる。これからワールドカップまで、すべてのテストマッチで勝ちたい。ひとつも負けずにワールドカップに行きたい。これからのすべてがワールドカップの準備。ワールドカップで勝つことが究極の目的なのだから、そのためにも全部勝たないと」
ラグビーワールドカップ2015で準々決勝進出を目指す日本代表。プールステージで戦うのは、南アフリカ代表、スコットランド代表、サモア代表、アメリカ代表と強敵揃いだ。
「南アフリカにも勝ちたい。ワールドカップは結果がすべて。勝つだけ。そのためには、まずはフィジカルで立ち向かえること。そして戦術的に賢くないといけない。ここにいる42名は、それをやれる力がある」
<ラグビーワールドカップ2015 日本代表第二次候補選手>
【FW:19名】
・畠山 健介 (サントリーサンゴリアス/60キャップ)
・山下 裕史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/37キャップ)
・平島 久照 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/35キャップ)
・三上 正貴 (東芝ブレイブルーパス/23キャップ)
・長江 有祐 (豊田自動織機シャトルズ/17キャップ)
・垣永 真之介 (サントリーサンゴリアス/1キャップ)
・ホラニ 龍シオアペラトゥー (パナソニック ワイルドナイツ/―)
・木津 武士 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/30キャップ)
・湯原 祐希 (東芝ブレイブルーパス/18キャップ)
・有田 隆平 (コカ・コーラレッドスパークス/7キャップ)
・大野 均 (東芝ブレイブルーパス/87キャップ)
・伊藤 鐘史 (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/28キャップ)
・宇佐美 和彦 (キヤノンイーグルス/―)
・トンプソン ルーク (近鉄ライナーズ/49キャップ)
・ジャスティン・アイブス (キヤノンイーグルス/23キャップ)
・マイケル・ブロードハースト (リコーブラックラムズ/16キャップ) ※ 5月中に合流予定
・ヘイデン・ホップグッド (釜石シーウェイブス/3キャップ)
・村田 毅 (NECグリーンロケッツ/―)
・ホラニ 龍コリニアシ (パナソニック ワイルドナイツ/35キャップ)
【BK:12名】
・日和佐 篤 (サントリーサンゴリアス/38キャップ)
・矢富 勇毅 (ヤマハ発動機ジュビロ/14キャップ)
・内田 啓介 (パナソニック ワイルドナイツ/8キャップ)
・立川 理道 (クボタスピアーズ/28キャップ)
・田村 優 (NECグリーンロケッツ/26キャップ)
・マレ・サウ (ヤマハ発動機ジュビロ/20キャップ) ※ 5月中に合流予定
・クレイグ・ウィング (神戸製鋼コベルコスティーラーズ/7キャップ)
・廣瀬 俊朗 (東芝ブレイブルーパス/23キャップ)
・カーン・ヘスケス (宗像サニックスブルース/2キャップ)
・藤田 慶和 (早稲田大学 3年/18キャップ)
・福岡 堅樹 (筑波大学 3年/11キャップ)
・五郎丸 歩 (ヤマハ発動機ジュビロ/43キャップ)
<負傷選手>
・堀江 翔太 (パナソニック ワイルドナイツ/32キャップ)
・真壁 伸弥 (サントリーサンゴリアス/29キャップ)
・アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/2キャップ)
・小野 晃征 (サントリーサンゴリアス/24キャップ)
<合宿帯同選手>
・ティム・ベネット (キヤノンイーグルス/―)
※ 2015年6月1日に日本代表資格取得予定。
<選考対象外選手=スーパーラグビー参加選手>
・稲垣 啓太 (パナソニック ワイルドナイツ/レベルズ/2キャップ)
・リーチ マイケル (主将/東芝ブレイブルーパス/チーフス/38キャップ)
・ツイ ヘンドリック(サントリーサンゴリアス/レッズ/27キャップ)
・田中 史朗 (パナソニック ワイルドナイツ/ハイランダーズ/44キャップ)
・松島 幸太朗 (サントリーサンゴリアス/ワラターズ/6キャップ)
・山田 章仁(パナソニック ワイルドナイツ/フォース/10キャップ)