日本選手権決勝でサントリーのキーマンだったSHフーリー・デュプレア(撮影:松本かおり)
南アフリカ代表70キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)を誇るSHフーリー・デュプレアは「いらいらする試合でした」と落胆していた。28日、東京・秩父宮ラグビー場。サントリーの一員として日本選手権決勝に先発も、ヤマハに3-15で敗れた。
持ち前のシェイプ(型)による攻めを先導し、後半14分頃には大きな突破を図る相手のSH矢富勇毅を追いかけてタックル。判断力と危機管理能力を示した。試合後は所定の取材エリアを通らなかったが、裏口からグラウンドを去るところで単独インタビューに応じた。
「速いテンポのラグビーをしたかったが、うまくいかなかった。どこのチームも、ブレイクダウン(接点)でのスローダウンを狙ってくる。ペナルティかどうか、ぎりぎりのところで」
現体制下では初めてトップリーグプレーオフ出場(上位4強入り)を逃したサントリーは、FL佐々木隆道いわく「大小合わせて週に3回」の選手間ミーティングを実施。持ち前の攻撃的スタイルの再整備を図った。22日の大阪・近鉄花園ラグビー場での日本選手権準決勝では、トップリーグ王者のパナソニックを31-25で制した。右肩上がりに調子を上げるチームにあって、プレー遂行時の交通整理を担うSHデュプレアは高く評価された。
「自分たちにとって価値のある経験でした。私はサポートすることに一生懸命でした。選手たちが1つになれるようにアドバイスをした。あとは、サントリーラグビーがうまくできるようにコントロールしてきました」
故障のためシーズン終盤から復帰した当の本人は、やや控えめにこう振り返る。来季も日本でラグビーをするのか。今秋のワールドカップイングランド大会には出場するか。この手の質問には「たぶん」とのみ答えた。
(文:向 風見也)