東芝との熱戦を制し、初の日本選手権決勝進出となるヤマハ発動機(撮影:松村真行)
<日本選手権 準決勝>
ヤマハ発動機 21-9 東芝
(2015年2月22日/大阪・近鉄花園ラグビー場)
前半は都度、都度のセットプレーの優劣が両者の陣地獲得とスコアに直結。ハーフタイム後、7-9で追うヤマハが防御で持ち味を出した。
後半11分だった。敵陣中盤右のスクラムから、東芝のSH小川高廣に自陣中盤左まで走られる。
次の中央の密集で、しかし、ヤマハは束で突っ込む。ターンオーバー。ここから球を左右いっぱいに往来させ、13分に勝ち越す。12-9。
得点の契機となった接点には、FL三村勇飛丸主将が加わっていた。身長178センチ。顔にすり傷を作り、クラブのあり方を体現する。
「記憶にないです。必死で…」
当該のシーンは困り顔で振り返るだけだが、覚えている場面もあった。
15-9で迎えた後半26分、自陣ゴール前で相手走者が倒れた折だ。
途中出場のFLデウォルト・ポトヒエッターが身体を当てると、後ろから現れたFL三村主将が楕円球を掴む。相手に反則をさせた。
「ポッティのファイトがあって、ボールが裸(丸見え)になってた」
殊勲の兵士、愛称を用いて仲間を誇る。
一方、敗れた冨岡鉄平ヘッドコーチは「厳しい局面でヤマハは点を取り、東芝は取れなかった」。
(文:向 風見也)