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TL王者パナソニックは2冠ならず 日本選手権決勝進出はサントリーとヤマハ

2015.02.22

suntory

好走を見せたサントリーのCTB松島。宿敵倒し、日本選手権決勝へ(撮影:松村真行)

 大阪・近鉄花園ラグビー場で22日、第52回日本ラグビーフットボール選手権大会の準決勝2試合がおこなわれ、2季連続で2冠獲得を狙ったトップリーグ王者のパナソニックワイルドナイツは、25-31でサントリーサンゴリアスに敗れた。今季トップリーグで準優勝だったヤマハ発動機ジュビロは、東芝ブレイブルーパスを21-9で下し、初の日本選手権決勝進出を決めている。
 
 首の手術が必要になった主将のHO堀江翔太が離脱し、SH田中史朗、WTB山田章仁はスーパーラグビー参戦のため、キーマン3人を欠いたパナソニックだが、選手層は厚く、接戦となった。
 前半20分、NO8ホラニ龍コリニアシの中央突破がきっかけとなってWTB酒井教全のトライが生まれ、36分にはSOベリック・バーンズからのキックパスをFL劉永男がインゴールに押さえて得点した。しかし、前半をリードしたのはサントリー。PGを重ねたあとの33分、サモア代表でもあるSOトゥシ・ピシが鋭いステップで防御網を切り裂いた。ゴールキックに少し差が出て、12-13で折り返す。
 後半にPGを2本ずつ奪い合い、18-19で迎えた70分(後半30分)、運動量が落ちないサントリーはバックスの力走で敵陣深くに入り、フォワードが突進を重ね、最後は途中出場のPR垣永真之介が力強くこじ開けてインゴールにボールをねじ込んだ。コンバージョンも決まって18-26、8点差となる。74分にはサントリーFB塚本健太がハーフウェイ付近から抜け出し、勝利を引き寄せるトライ。
 パナソニックは77分、SHからWTBに移動した内田啓介がゴールに持ち込み、キック成功で6点差にしたが、残りわずかな数分間で逆転することはできず、2冠への道は絶たれた。
 サントリーは2年ぶりの日本選手権決勝進出。

 なお、ワイルドナイツの前主将で、日本代表としても活躍したCTB霜村誠一は今季限りでの引退を明らかにしており、これが現役最後の試合となった。

 ヤマハ発動機と東芝の試合も熱戦となった。
 スクラム、ラック、モールなど、激しい肉弾戦はほぼ互角で、粘り強いディフェンスも緊迫したシーソーゲームの要因となった。
 前半、ヤマハがFLモセ・トゥイアリイのトライとコンバージョンキックで得点したのに対し、東芝はPGを3本重ね、7-9で折り返した。
 追うヤマハは53分(後半13分)、FB五郎丸歩とLOデューク・クリシュナンが大きくゲインしてSO大田尾竜彦につなぎ、逆転トライを奪った。その後、接点とスクラムで少しずつ優勢になっていったヤマハは、PGを3本決めてリードを拡大。
 何度か敵陣22メートルライン内に入った東芝だが、最後まで相手の堅守を崩すことができず、ヤマハがトップリーグに続いて日本選手権でもファイナル進出を決めた。

ゴールに迫ったヤマハのCTB宮澤正利。トライは認められなかったが、チームを勢いづけた
(撮影:松村真行)

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