ラグビーリパブリック

次は東芝と激突! 帝京大のキーマン意気込み語る。「受けないで前に出る」

2015.02.13

sakate

NEC戦で奮闘する帝京大のHO坂手淳史(撮影:矢野寿明)

 大学選手権6連覇中の帝京大は15日、東京・秩父宮ラグビー場で日本選手権2回戦に臨む。相手は東芝。日本最高峰のトップリーグ(TL)が発足以来、常に4強入りを果たしてきた強豪である。

 学生王者は8日、秩父宮での日本選手権1回戦でNECに31-25で勝利。同選手権で学生がTL勢を制したのは9季ぶりとあって、話題を集めた。

「NEC戦でやってきたことの精度を高める。自分たちのアタックを続ければ崩せないわけではないとも思うので、自信を持って臨みたいと思います」

 12日、東京・帝京大百草グラウンドでの全体練習後。まず意気込みを語ったのはSH流大主将だった。NEC戦では「ハンドリングのミス」や失点場面での「ディフェンスのコネクション(連携)」に課題を残したが、スペースへのキックでエリアを効果的に獲得できた。「(次戦も)まずはしっかりと敵陣に入ることを考える」と展望を語る。

 対する東芝の南アフリカ代表53キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)のCTBフランソワ・ステインのロングキックも、十分にイメージしている。ともに試合を組み立てるSO松田力也は「向こうはバックスリー(後方を守るWTB、FB)の連携もしっかりされている。イージーにではなく、いい形で蹴れるようにしたい」と話す。SH流もこう続ける。

「相手にはいいキッカーがいる。スペースをしっかりと観て、(東芝の)バックスリーを意図的に動かすことが大事になると思います。(NEC戦以上に)それを工夫してやります」

 チームは、東芝の得点場面などを編集した映像を確認。「セットプレーが強い」との印象を再確認した。相手のスクラムには、PR三上正貴、HO湯原祐希、PR浅原拓真の日本代表経験者が最前列に並ぶ。1本、1本、細やかな微調整を重ねて圧倒を図る。対峙するHO坂手淳史は「(東芝のスクラムは)TLで一番、まとまりがいい。押されることはあっても、びっくりせずに自分たちのマックスの力を出す」と決意を明かした。PR森川由起乙副将はこうだ。

「組み合った瞬間から前に足を運ぶ。それを80分間続けることが相手の体力にも影響して、少しでも自分たちのスクラムを組むことにつながっていく。自分たちが休むほど東芝さんが有利になる。常に、プレッシャーをかける」

 肉弾戦での力強さはNECの瀧澤直主将に「TLレベルと言わざるを得ない」と認めさせたが、次はFLスティーブン・ベイツら国内随一の激しさを誇る相手とぶつかることとなる。1回戦で乱れたラインアウトを「基本プレー。スロー、リフト、ジャンプ。1つひとつの噛み合わせが悪かった。仕事を確認して、チーム全体としてのスキルを上げる」と反省したHO坂手は、ぶつかり合いへの覚悟を示す。

「大学生とは違うプレッシャーがある。レフリーの方も、大学生の試合とTLの試合では、少し吹き方は変わってくると思う。どういったことをやられるのかを考えながらプレーしたいです」

 自分たちよりも強く、上手いかもしれない相手と激突する際のポイントは。

 SO松田は「基本通りに立ち位置、ポジションを考えてプレーする。あとは、受けないで前に出る」と答えていた。

(文:向 風見也)

Exit mobile version