ラグビーリパブリック

「発進」と「発信」の日。第1回戸田ウィルチェアーラグビーフェスタ

2015.02.08


白熱した来場者による試合。はじめは車椅子の操作に戸惑ったが、
慣れるにつれて次々と得点を挙げていった(撮影:池貝 亨)


 心あたたまる、触れあいの日から1週間が過ぎた。
 1月31日、埼玉・戸田市スポーツセンターで第1回戸田ウィルチェアーラグビーフェスタがおこなわれた。2020年の東京パラリンピックへ向け、競技をより多くの人たちに知ってもらう目的で、戸田市在住の元ウィルチェアー日本代表の三阪洋行さんが発起人となり、市への2年越しの要望が実現した。自身は大阪出身だが2011年に大阪から都内に転勤。ロンドンパラリンピックに向け障害者スポーツに理解があり、練習環境が整っている戸田市に移住した縁がある。

 当日は神保国男・戸田市長も訪れ、競技用車椅子「ラグ車」を体験した。来場者も選手たちの指導のもとに「ラグ車」体験を楽しみ、現役日本代表選手の「タックル」を体感。選手たちの指導のもとにめきめきと上達し、試合形式でも次々とゴールを決めていった。
 エキシビションマッチでは埼玉のチーム「AXE」と千葉のチーム「RIZE」「BLAST」の合同チームが対戦し、ゴールへ駆け抜けるスピード、相手を転倒させるタックルなど、迫力ある対戦を身近に体感できた。試合は66-53でAXEが勝利。控え選手がルール解説を務め、初めての観戦者にもわかりやすいと好評だった。

 来場者は多くはなかったが、三阪さんは「これが最初の一歩。競技に対する理解から広げて、応援してもらえるようになりたい。これからも続けて、他の障害者スポーツも取り込んだ戸田市に根付くイベントにしたい。また、市や戸田ラグビークラブ オーバーザトップなどボランティアの協力なしには開催できなかった。今回は開催の条件でもあった手間のかかるフロアパネル設置作業があり、前日に黙々と準備を続けるボランティアの姿を見て、頭が下がる思いだった」と振り返った。

 現在、日本の世界ランクは4位。1位オーストラリア、2位カナダ、3位アメリカに次ぐ。ロンドンパラリンピックでは4位入賞したが、ぜひとも上位「ビッグ3」に食い込みたい。日本での国際試合は以下の日程でおこなわれる。ぜひ本物を観戦してみては。

(取材:池貝 亨)


■2015 ジャパンパラウィルチェアーラグビー競技大会
5月22日(金)〜24日(日) @千葉ポートアリーナ
参加国(予定):カナダ、日本、イギリス、ニュージーランド

■IWRFアジア・オセアニアゾーン選手権(2016 リオパラリンピック予選)
10月28日(木)〜11月1日(日) @千葉ポートアリーナ
参加国(予定):オーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国ほか

http://www.jwrugby.com/


Facebook:Japan Wheelchair Rugby Federation


 



迫力のあったエキシビションマッチ。手前2番は女性選手。ウィルチェアーは男女混合でも
プレーできる。女性はチーム編成時の障害度によるポイントで優遇される(撮影:池貝 亨)



駆けつけた選手たちの中には現役日本代表選手も。選手のタックルを体験した来場者は
「迫ってくるまで怖いが、体への痛みはそれほどでもなかった」(撮影:池貝 亨)

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