(撮影:松本かおり)
日本選手権出場をかけたワイルドカードトーナメントが24日から始まり、東京・秩父宮ラグビー場で1回戦の2試合がおこなわれた。望みをつないだのは、リコーとサントリー。
今季トップリーグで9位だったリコーは同8位のNTTコミュニケーションズを16-12で下し、5位のサントリーは12位の近鉄に苦しみながらも24-16で勝利を手にした。
第1試合、リコーは点差以上に優勢だった。
PGで得点を重ねたNTTコムに対し、リコーは前半26分、相手の落球から一気に攻め込んでWTB長谷川元氣が逆転につながるトライを挙げた。
10-9で迎えた後半、リコーは大きく突き放すことはできなかったものの、アグレッシブに攻め続け、流れを相手に渡さなかった。4点を追うNTTコムはフルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、敵陣深くでのチャンスがめぐってきたが、守るリコーはラインアウトからのモール前進を許さず、激しくプレッシャーをかけて逆転劇を阻止した。
第2試合は、勇敢に攻めた近鉄が序盤から主導権を握り、白熱戦となった。
試合開始早々、敵陣深くでPKをもらった近鉄はショットを選択せず、タップからテンポよくボールを回してWTB田中優介が先制トライを挙げた。その後、サントリーにPGを決められ、FLツイ ヘンドリックにゴールライン上のグラウンディングを許して逆転された近鉄だったが、PGで同点に追いついたあとの30分、ハーフウェイ付近右でのラインアウトから大きく左へ回し、2012年の南半球スーパーラグビーでトライ王だったWTBアンドレ・テイラーが次々とディフェンダーを振り切り、ゴールに持ち込んで勝ち越す。
強烈なタックルを連発し、ブレイクダウンでも激しくファイトした近鉄が、5点リードで前半を終えた。
しばらく、相手の魂のこもった堅守に苦しんだサントリーだったが、51分(後半11分)、ゴールに迫ってから左への展開でWTB村田大志がインゴールにボールをねじ込み、13-13の同点とする。
トップリーグ優勝3回の戦績を持つ強豪ながら今季はプレーオフ進出を逃し、負ければシーズン終了のサントリーは、再び相手にPGを決められ追う立場になったものの、10フェイズを重ねた66分にFB有賀剛がトライを挙げ、逆転した。
サントリーはその後、終盤にPGを2本追加し、辛勝。日本選手権のタイトル獲得に望みをつないだ。
初戦を突破したサントリーとリコーは、31日に大阪・近鉄花園ラグビー場で激突し、勝ったチームが日本選手権に出場する。
ワイルドカード1回戦の残り2試合、キヤノン×NEC、トヨタ自動車×NTTドコモの試合は、25日に近鉄花園ラグビー場でおこなわれる。