国立競技場の改修にともない、初めて東京・味の素スタジアムでおこなわれた全国大学ラグビー選手権大会の決勝(第51回大会)。2015年1月10日、存分に躍動して栄冠を獲得したのは、またも赤いジャージーの男たちだった。帝京大が50-7で筑波大を圧倒し、6大会連続6回目の優勝を遂げた。
序盤から帝京大は相手にプレッシャーをかけ続けた。
前半7分、敵陣22メートルライン内での相手ボールスクラムを押して、こぼれた球をキャプテンのSH流大が拾い、そのままゴールに持ち込んで先制した。20分にはゴール前中央のラックから右へ展開し、FB森谷圭介がすり抜けて追加点を挙げる。ブレイクダウンでのターンオーバー連発も帝京大の大きな勝因となり、25分にはカウンターラックからすばやく左へ展開し、WTB磯田泰成が振り切ってトライを決めた。
筑波大は前半無得点。左肩の脱臼から復活して今大会初先発となったキャプテンのCTB松下真七郎が前半にダメージを負い、23分に交代を余儀なくされたことも響いた。
21-0でハーフタイム。
後半早々、筑波大は攻め込みながら帝京大の壁に跳ね返されていたが、7分、敵陣22メートルライン内のラックからこぼれた球を確保し、左へつないでWTB福岡堅樹が初トライを挙げた。ゴール成功で7点を返す。
だが帝京大は大崩れせず、PGですぐにリードを拡大。14分には自陣でPKをもらうと、SH流がクイックスタートからゲインしてすばやく右へ展開し、WTB尾崎晟也が次々とディフェンダーを振り切ってインゴールに持ち込んだ。
勢いが止まらない帝京大は27分、スクラムからのサインプレーが鮮やかに決まり、WTB磯田がフィニッシュ。その後もチーム一体となった攻撃で、34分には途中出場のFB重一生が、試合終了前にはWTB磯田がトライを追加し、SO松田力也のゴールキックも好調で、大学選手権決勝での最多得点、最大点差で、帝京大が前人未到の6連覇を達成した。