1月6日、大韓ラグビー協会(KRU)は緊急の会見を行った。昨年末に突然、浮上した韓国ラグビーの雄・三星重工業ラグビー部の解体(解散)説について協会の現状を説明するためだ。
ウォン・ジョンチョンKRU副会長は「信じることができない。(解散の)再考を」と三星重工業経営陣に求めた。
解散について2013年まで三星監督を務めた鄭三榮(チョン・サンヨン)韓国代表監督は「三星がラグビー部を解散するということを公式には明らかにしていない。しかし解散手続きを進めている」と話した。
また、25人いる所属選手の今季の契約更新も行われていないという。
渦中の姜銅鎬(カン・ドンホ)三星監督はアジア経済ニュースの取材に対し「会社の内部で解散について議論があった」と認めている。
解散の理由は、三星重工本体が受注減などで売上が減少しており、年間16億〜20億韓国ウォン(約2億円前後)かかるラグビー部運営費を削減すること。もう一つは三星グループ各企業が運営する13のスポーツチームを広告企業の第一企画に集約し整理するというものだ。第一企画ではラグビーとテニスを解散し、氷上スポーツチームを新設する計画もあるという。
三星ラグビー部は李健煕(イ・ゴンヒ)三星財閥会長の肝いりで1995年創設された。李会長が三星の3大スポーツとして野球・ゴルフ、そしてラグビーを指定し、強化してきた。過去に全国体育大会10連覇を達成するなど韓国ラグビー界を象徴する存在だ。
韓国ラグビーは高校・大学と好成績を残した代表レベルの選手たちが兵役もラグビー中心に送る軍体育部隊(尚武)へ入る。毎年10人前後の狭き門だ。除隊後、三星、韓国電力、ポスコ建設の国内チームや日本チームへ5、6人が進む。人気はないがスポーツエリートの種目。
三星が解散すると受け入れ先がなくなりラグビーに打ち込む子どもたちが減るという危惧がある。
さらに韓国電力、ポスコなどの企業もラグビー支援を打ち切りやすいという環境ができることを恐れるKRU関係者もいる。
代表主将を務めた三星OBの朴チャンミン白新高コーチは「まだ何も決まっていない」と話す。
アジア経済は「今週中に三星重工会長が決定する見込み」と伝えている。
三星の動向で今季の韓国国内日程、代表選手選出が揺らいでいる。